3000万円特別控除は住宅ローン控除と併用できないの?利用上の注意点を解説

2018/12/23

住宅を売却したときに使える税金の特例に「3,000万円特別控除」があります。
3,000万円特別控除は、適用要件が緩く、かつ、節税効果も非常に大きいため、とても使い勝手の良い特例です。

しかしながら、3,000万円特別控除も利用に当たっては注意すべきこともあります。
最大の注意点は、買い替え(住み替え)時に、購入物件で住宅ローン控除の利用を考えている場合です。

結論から言うと、「3,000万円特別控除」と「住宅ローン控除」は同時に併用することはできません。

また、解体時や老人ホーム入居時に「3,000万円特別控除」を使う場合にも注意点があります。

さらに、3,000万円特別控除を使った場合の土地所有期間や住民税の扱いについても知りたい人は多いと思います。

そこでこの記事では「3,000万円特別控除」にフォーカスして利用上の注意点を徹底解説していきます。

この記事を読むことで住宅ローン控除との併用可否や要件、解体や老人ホーム入所時に使う場合の注意点、土地所有期間、住民税の扱い等について分かるようになります。

併せて確定申告における減価償却の計算方法や必要書類についても知ることができます。

最後までお読みいただき、「3,000万円特別控除」の適切な使い方を知ることに役立てて頂けると幸いです。

この記事の筆者:竹内英二 (不動産鑑定事務所:株式会社グロープロフィット代表取締役)
保有資格:不動産鑑定士・宅地建物取引士・中小企業診断士・不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン

1.「3,000万円特別控除」とは

3,000万円特別控除とは、個人が自宅を売却したときに所得税及び住民税を節税してくれる特例です。

節税を可能とする特例には、大きく分けて2種類あります。

 

個人が不動産を売却したときに発生する所得を「譲渡所得」と呼びます。

税金は、以下のように譲渡所得に税率を乗じて求めます。

 

【税金の計算】


所得税および住民税 = 譲渡所得 × 税率


この際、譲渡所得を小さくしてくれるのが「3,000万円特別控除」です。

それに対して、税率を小さくしてくれるのが「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」と呼ばれる特例になります。

 

まず、税金を節税するには、「譲渡所得」を小さくするパターンと「税率」を小さくするパターンの2つがあるということがポイントです。

 

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

 

3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得】


譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円


譲渡価額とは売却額です。

取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。

譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

 

中古住宅価格は、3,000万円~5,000万円の物件が多く、3,000万円も控除してくれると、ほとんどのケースで譲渡所得がマイナスとなります。

 

3,000万円特別控除によって、譲渡所得がマイナスとなる場合には、譲渡所得はゼロとして扱われます。

 

譲渡所得がゼロとなれば、その時点で税金が発生しないことが確定します。

税率を小さくしてくれる「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例」が登場する出番もなく、税金はゼロということになります。

 

とても節税効果が大きいため、住宅を売却したときは3,000万円特別控除が最も利用される特例です。

3,000万円特別控除とは、「譲渡所得」を相当に小さくしてくれる特例ということになります。

 

2.住宅ローン控除とは併用できない

3,000万円特別控除を利用する際、最大の注意点が住宅ローン控除と併用できないという点です。

 

自宅の売却では、買い替え(住み替え)を行う人が多いです。

買い替えでは、売却と購入の2つを同時に行います。

 

その際、売却では3,000万円特別控除を使い、購入では住宅ローン控除を使うということはできないということです。

 

3,000万円特別控除と住宅ローン控除は選択適用の関係にあり、どれか一方を利用したら、どちらかを捨てなければならないということになります。

 

住宅ローン控除では、以下の3つの特例を同時に利用することができません。

 

【住宅ローン控除と併用できない特例】


・3,000万円特別控除

・所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例

・居住用財産の買換えの特例

・中高層耐火建築物等の建設のための買換え特例


「居住用財産の買換えの特例」とは、売却した資産よりも購入した資産の方が高かった場合には売却の税金がかからないという特例です。

 

似たような名前の特例で、売却損が出たときに使える「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」とは異なります。

 

ややこしいですが、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」は購入物件で住宅ローン控除と併用して利用することが可能です。

 

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3.住宅ローン控除と併用できるのは何年目のいつからか

住宅ローン控除を適用してから3年目に売却すると、3,000万円特別控除も併用することは可能です。

 

3,000万円特別控除と住宅ローン控除は、正確に言うと同時に利用できないというだけであり、時期をずらすと2つの特例を利用することができます。

 

住宅ローン控除は、購入物件に入居した年の他、その前年または前々年あるいはその翌年またはと翌々年に3,000万円特別控除を適用すると利用できなくなります。

つまり、前後2年間の間に、どちらかを利用すると一方が利用できなくなるという関係です。

 

そのため、例えば以下のようなパターンであれば3,000万円特別控除も住宅ローン控除も利用することができます。

 

3,000万円特別控除と住宅ローン控除を併用できるパターン】


・購入を先に行い、購入物件に入居した後、3年目に売却する

・売却を先に行い、一度賃貸物件に引っ越した後、3年目に購入する


先に購入を行う場合、転居してから3年後の12月31日までに売却すれば3,000万円特別控除を利用することは可能です。

 

転居してから売却するまでの期間、売却物件は他人に賃貸していても3,000万円特別控除は利用できます。

 

ただし、前の住宅で住宅ローンが残っていれば、売却せずに保有している2年間の間は二重ローンが発生してしまいます。

 

また、売却を先行する場合でも、途中、家賃が発生し、なおかつ引っ越し代も二重に生じることになります。

 

いずれにしても無駄な費用が発生しますので、よほど大きな節税メリットがない限り、併用は避けた方が良いでしょう。

 

4.「3,000万円特別控除」の要件

この章では3,000万円特別控除の適用要件について詳しく解説します。

4-1.居住用財産とは

3,000万円特別控除は、居住用財産であれば適用することが可能です。

居住用財産は以下のいずれかの要件に合致した不動産になります。

 

【居住用財産の定義】


1.現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合

2.転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)

3.災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合

4.転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)


居住用財産とは、言い換えると、マイホーム(自宅)のことです。

自宅ですので、アパートや投資用ワンルームマンションのような他人に貸している住宅は居住用財産には該当しないことになります。

 

また、相続で引き継いだ親の不動産も、自分で住んでいなければ居住用財産ではありません。

 

居住用財産は、「自宅であれば良い」というだけなので、要件としては、とても緩いです。

所有期間は全く関係なく、自宅であれば購入後すぐに売却しても3,000万円特別控除を利用することができます。

 

4-2.親族への譲渡は適用できない

3,000万円特別控除は、買主が以下のような特定の親族や同族会社の場合、適用することができません。

 

3,000万円特別控除が適用できない譲渡先】


1.特定の親族

配偶者、直系血族(親、子、孫など)、生計を一にする親族、譲渡後にその家屋に居住する親族

 

2.特定の同族会社

本人、配偶者、直系血族、生計を一にする親族が主催している同族会社


たまに、離婚前に財産分与等を目的として夫婦間でマンションを売買しようとする人がいますが、離婚前に売買してしまうと3,000万円特別控除を適用することができません。

 

離婚後であれば夫婦ではなくなるため、売却しても3,000万円特別控除は適用することができます。

特定の親族では利用できませんので、ご注意ください。

 

4-3.適用は3年に1度だけ

3,000万円特別控除が適用できるのは3年に1度だけです。

居住用財産そのものに保有期間の要件はありませんが、過去3年以内に利用している場合には、3,000万円特別控除は利用できないことになります。

 

5.軽減税率とは重複適用可能

税金を節税するには、「譲渡所得」を小さくするパターンと「税率」を小さくするパターンの2つの方向性があります。

 

「税率」を小さくするパターンの特例は、「所有期間10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例(以下、「軽減税率の特例」と略)」です。

 

まず、原則として譲渡所得にかかる税率は所有期間によって決まります。

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得と呼ばれています。

 

それぞれの税率は以下の通りです。

復興特別所得税の税率は、所有期間に関係なく、2.1%となります。

 

ここで、軽減税率の特例を適用すると税率はさらに以下のように下がります。

復興特別所得税に関しては、2.1%のままです。

「軽減税率の特例」は、「3,000万円特別控除」と重複適用できるという点がポイントです。

重複適用できない住宅ローン控除とは異なります。

 

「軽減税率の特例」は、「3,000万円特別控除」を適用しても、なおかつ譲渡所得がプラスになる場合に利用します。

低い税率は、あくまでも「3,000万円特別控除後の譲渡所得」に対してかかります。

 

「軽減税率の特例」は、個人がその年の11日において所有期間が10年を超える次のいずれかの居住用財産を譲渡した場合に適用されます。

 

【軽減税率の特例の要件】


1.現に自分が住んでいる住宅

2.以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までに譲渡したもの

3.「1.」や「2.」の住宅およびその家屋とともに譲渡された敷地

4.災害によって滅失した「1.」の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が10年を超えている住宅の敷地(ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡したものに限る)


軽減税率の特例の要件は、基本的に3,000万円特別控除の要件と同じです。

違いは、所有期間10年超という部分のみになります。

 

6.住宅ローン控除とどちらが得か

一般的には、3,000万円特別控除よりも住宅ローン控除の方が得になるケースは多いです。

 

住宅ローン控除では、控除期間の各年分の所得税が以下の式によって算出されます。


ローン控除額 = 年末借入金残高 × 控除率


控除率や控除期間等は以下の通りです。

上表のカッコ内の数字は、長期優良住宅または低炭素住宅の場合の金額です。

 

長期優良住宅とは、長期優良住宅の普及の促進に関する法律に規定する認定長期優良住宅です。

低炭素住宅とは、都市の低炭素化の促進に関する法律に規定する認定省エネルギー建築物のうち、一定の住宅をいいます。

 

住宅ローン控除では、借入金の額や購入住宅の種類によっても異なりますが、最大で500万円まで所得税を控除することが可能です。

 

そこで、この最大500万円を基準に3,000万円特別控除とどちらが有利になるかを考えます。

 

長期譲渡所得の場合、税率は所得税および住民税を合わせると20%となります。

20%の税率で、500万円の税金が発生するには2,500万円の譲渡所得が必要となります。

 

言い換えると、譲渡所得が2,500万円以上ある場合には、3,000万円特別控除を選択した方が有利ということです。

 

つまり、「取得費と譲渡費用の合計額」よりも、「譲渡価額」が2,500万円以上高く売れないと、3,000万円特別控除は有利にならないという計算となります。

 

値段が下がることが当たり前の中古住宅では、そもそも譲渡益よりも譲渡損失が発生することの方が多いです。

そのため、2,500万円以上の譲渡所得が発生することはかなりのレアケースと考えられます。

 

断言はできませんが、基本的には住宅ローン控除の方が節税効果は高いケースは多いと思われます。

 

3,000万円特別控除の方が有利な場面とは、特殊な理由で高額な譲渡所得が発生し、なおかつ、購入物件でほとんど住宅ローンを組まないようなケースです。

 

基本的には住宅ローン控除を優先的に考え、あまりにも譲渡所得が高額となる場合には、3,000万円特別控除も検討してみることが適切です。

 

どちらが有利か見当の付かない場合には、税理士に相談してみることをおススメします。

 

7.「3,000万円特別控除」を使うにあたっての注意点

この章では3,000万円特別控除を使うにあたっての注意点について解説します。

7-1. 解体した場合の注意点

3,000万円特別控除は、建物を解体しても利用することが可能です。

 

要件としては、「転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合」に3,000万円特別控除を利用できます。

転居したら3年以内に取り壊し、取り壊したら1年以内に売却することが必要です。

ただし、売却期限は「いずれか早い方」なので、遅くとも転居してから3年後の12月31日まで売却する必要があります。

 

また、解体費用は譲渡所得を計算する上での譲渡費用に含めることができます。

 

【3,000万円特別控除を適用した場合の譲渡所得】


譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円


解体費用によって譲渡費用も大きくなることから、節財効果はより高くなります。

 

譲渡費用に関しては、以下のものを対象とすることができます。


売却の際の仲介手数料

売却のために要した測量費

売却時の売買契約書に貼付けした印紙税

売却に伴い支払った立退料

売却時の建物の取壊し費用


ただし、解体した場合、「取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりする」と3,000万円特別控除を利用することができません。

 

例えば、解体した後、駐車場などで土地を貸し付けてしまうと3,000万円特別控除を利用できなくなります。

 

一方で、取り壊さない場合には、転居後、他人に貸しても3,000万円特別控除は利用できます。

 

少しややこしいですが、解体した場合には他人に貸さないようにしましょう。

 

7-2. 老人ホームに入所した場合の注意点

親が老人ホームに入所して、その後、親の自宅を売却するというパターンが良くあります。

 

その場合、要件としては、「転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合」に3,000万円特別控除は使えます。

もし、老人ホームに入所後に売却する場合には、3年後の12月31日までに売却しないと3,000万円特別控除が利用できず、税金が発生してしまう可能性があるため、ご注意ください。

 

尚、転居の場合には、老人ホームに入居した後の空家を他人に貸しても3,000万円特別控除を利用することができます。

 

7-3. 土地所有期間

3,000万円特別控除を利用する場合には、所有期間は要件ではありません

一方で、軽減税率の特例には所有期間が10年超という要件があります。

 

3,000万円特別控除と軽減税率の特例は、重複適用できるため、良く勘違いされますが、3,000万円特別控除だけを利用するのであれば土地所有期間は関係ないということになります。

 

ただし、3,000万円特別控除を適用しても、なおかつ譲渡所得がプラスの場合には、軽減税率の特例の出番になります。

 

この際、軽減税率の特例は所有期間が10年超という要件があるため、10年超所有している不動産でないと、軽減税率は適用できないことになります。

 

特に、土地については相続で引き継いだ土地など、取得費が分からないケースがあります。

取得費が分からないケースでは、概算取得費を用います。

概算取得費とは、譲渡価額(売却額)5%です。

 

概算取得費を用いると、譲渡所得が大きくなるため、3,000万円特別控除を適用しても譲渡所得がプラスになってしまうことがあります。

この場合、土地の所有期間が10年超であれば、軽減税率の特例も適用できるのです。

 

相続で引き継いだ土地に関しては、被相続人(親のこと)が取得した日を引き継ぎます。

被相続人の所有期間が既に10年超であれば、軽減税率の特例は利用できるということになります。

 

7-4.住民税とふるさと納税の取り扱い

近年、ふるさと納税があることから、不動産を売却して住民税が上がることを期待している人も多いようです。

 

所得が上がると住民税が上がり、ふるさと納税上限額も増えるというのが理由です。

ふるさと納税上限額が増えれば、自己負担なしにもらえる返礼品が良くなります。

 

しかしながら、3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得が小さくなるため、住民税は節税されます

節税というよりは、譲渡所得がゼロになってしまえば、住民税は増えません。

 

住民税の税率は、短期譲渡所得なら9%、長期譲渡所得なら5%です。

この税率は、あくまでも譲渡所得に対してかかります。

 

【住民税の計算方法】


譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

住民税 = 譲渡所得 × 住民税の税率


住民税が増える場合、売却した翌年に増えることになります。

しかしながら、3,000万円特別控除によって、譲渡所得がゼロになれば、翌年の住民税は増えません。

 

不動産売却によって住民税が発生しなければ、「ふるさと納税上限額」も増えないことになります。

 

ただし、買い替えで住宅ローン控除を利用する人は、3,000万円特別控除が使えません。

この場合、譲渡所得が発生していれば、住民税も増える形になります。

 

住宅ローン控除の選択によって3,000万円特別控除を諦める人は、せっかく増えた住民税によって、ふるさと納税にチャレンジしても良いでしょう。

 

8.取得費と減価償却の計算方法

取得費は、土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。

そのため、取得費を求めるには、建物の減価償却を計算する必要があります。

 

【取得費の求め方】


取得費 = 土地取得費 + 建物取得費

     = 土地購入価格 + (建物購入価格 - 減価償却費)


減価償却費は以下の計算式によって求められます。


減価償却費 = 建物購入価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数


償却率は建物構造によって決まり、木造なら「0.031」、鉄筋コンクリート造なら「0.015」となります。

 

取得費と減価償却の計算方法は以下の通りです。

 

【取得費の具体的計算例】


新築マンション価格:3,000万円

土地購入価格:1,000万円

建物購入価格:2,000万円

築年数:10年目

 

減価償却費 = 建物購入価格 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

        = 2,000万円 × 0.9 × 0.015 × 10年

        = 270万円

 

建物取得費 = 建物購入価格 - 減価償却費

        = 2,000万円 - 270万円

        = 1,730万円

 

取得費 = 土地取得費 + 建物取得費

     = 1,000万円 + 1,730万円

     = 2,730万円


尚、以下のリンクより、売却シミュレーションエクセルをダウンロードすることができます。

 

本エクセルは、あくまでも売却前に利用する簡易シミュレーション用であり、確定申告時の税金計算を保証するものではありません。

具体的には固定資産税の精算金を収入金額に含めていないため、このエクセルで算出する譲渡所得は確定申告で計算すべき譲渡所得より若干少なくなっています。

 

当社は確定申告の責任は負いかねますので、確定申告をする際は、必ず税務署や税理士に確認した上で申告するようにして下さい。


マンション戸建て売却シミュレーション.xlsx


エクセルの詳しい使い方については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

 

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不動産売却の固定資産税精算金は譲渡価額に含めるの?譲渡所得を解説


 

9.確定申告で必要な書類と除票住民票

3,000万円特別控除と軽減税率の特例を受けるためには、確定申告が必要となります。

 

まず、確定申告では取得費を計算数ために「購入時の売買契約書」が必要となります。

購入時の売買契約書は、売却後も確定申告が終わるまでは、必ず保管するようにしてください。

 

次に、確定申告ではそれぞれ以下の書類が必要です。

 

3,000万円特別控除】


1.除票住民票

2.譲渡所得計算明細書


 

【軽減税率の特例】


1.除票住民票

2.譲渡資産の登記事項証明書

3.譲渡所得計算明細書


除票住民票とは、他の市町村への引越や、死亡したときに抹消された住民票のことです。

単に「除票」と呼ぶこともあります。

 

除票住民票は譲渡資産のあった市町村の窓口で取得できる書類ですので、売却の際は引越しをする前に忘れずに取得しておくようにしてください。

 

除票住民票の取得費用は1300円です。

取得には、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、運転免許証、パスポートなど、官公署が発行した顔写真付きの書類等の本人確認資料を提示する必要があります。

 

「譲渡所得計算明細書」とは、確定申告の提出様式にある書類のことです。

譲渡所得計算明細書の中では取得費を計算します。

 

10.まとめ

以上、3000万円特別控除は住宅ローン控除と併用できないの?利用上の注意点を解説してきました。

 

3000万円特別控除と住宅ローン控除できません。

一方で、3000万円特別控除と軽減税率の特例は重複適用可能です。

 

3000万円特別控除を適用する場合には、解体や転居をすると適用できるまでの期間が制限されます。

要件を十分に確認した上で、3000万円特別控除を適用するようにしてください。