リスクが低いのか、それとも価格が高いのか?利回りとリスクの関係

2016/03/21

元々、不動産投資は土地を保有している資産家がやるものでした。また事業に成功した人が余剰資金で不動産投資を行うケースも多いです。そのため、不動産投資はお金持ちの余裕の賜物であったという歴史もあり、収益性は決して高くありません。

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個人投資家の方は、この不動産投資の利回りの低さを嫌がります。借入をしてリスクを冒して行う投資にしては、儲けが少ないからです。そのため、個人投資家の方は郊外の高利回り物件に手を出してしまう方が後を絶ちません。

 

不動産投資で重要な考え方は、利回りはリスクを反映しているという考え方です。利回りの高い物件は、まさにハイリスクハイリターンです。例えば、地方の木造築古アパートには、空室リスクや賃料下落リスクなどの様々なリスクを抱えています。その分、投資家が求めるべき利回りは高いのが当然であって、高い利回りは決して儲かるという意味ではないのです。

 

一方で、東京23区内の物件は利回りが低いです。なぜかと言えば、23区内の物件は空室リスクなどが低いため、人気があります。人気があれば、購入希望者も増えるため、価格が上がります。そのため結果的に、東京23区内の物件は利回りが低くなっているのです。低い利回りの物件は儲からないという意味でなく、リスクが低いという意味になります。

 

さらに重要なことは、投資家として、確保したい利回りの基準を持つことです。例えば、都内の1棟のマンションであれば、NOI利回りが3%台の物件もあります。この場合、3%だからリスクが低いという判断は少し違います。都内の1棟マンションであっても、全くリスクが無いわけではありません。事業収支を組んでみると、最低でも4.5%以上はないと借入返済なども苦しいはずです。

 

NOI利回りが3%台に物件は、リスクが低いと言うよりは、単純に値段が高すぎると考えた方が正しいです。この判断は「こういう物件ならこれくらいの利回りが欲しい」と自分なりの利回り感を持っているからこそできるのです。

 

まずは利回りってどれくらいか知ることから始めましょう。