ワンルームマンションの原価の仕組み、土地代も含むと実は高い!?

2016/04/10

ワンルームマンションのような投資商品は、利回りで価格が決まり取引されています。一方で、不動産は数字だけの金融商品ではなく、土地と建物というものがあり、製造原価もあるはずです。そこで今回は、ワンルームマンションの製造原価について見ていきたいと思います。

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ワンルームマンションの原価は土地と建物に分けられます。建物については、ゼネコンの請負金額が原価になります。ワンルームマンションは小さい区画の中にキッチンやバスなどが高い密度で配置されます。そのため実はもっと仕様が高い分譲マンションよりも建築単価は高いです。分譲マンションは面積の大きいファミリータイプが多いからです。

土地については、埋立地や造成地でない以上、製造原価というものはありません。既成市街地の場合は、取引によって購入した更地の価格が土地の原価ということになります。ワンルームマンションの原価としては、土地については取引事例をもとに出した土地価格と建物建築費を合わせたもの原価となります。

ワンルームマンションの場合、利回りで取引される収益価格よりも原価の方が高いというケースが良くあります。理由は更地価格が高いためです。更地は必ずしも賃貸マンションを建てる人だけではなく、様々な用途の建築物を前提とした需要者が競争することで価格が決定するため、更地価格は高くなります。

そのため土地代まで製造原価に含めてしまうと、ワンルームマンションは収益価格よりも原価の方が高くなってしまう訳です。元々土地を昔から持っている地主が賃貸マンションを建てて、建築費に利益を乗せて売っているというケースが多々見られます。

それを考えると、実は収益価格で土地と建物を購入できるワンルームマンションは安く購入できていると言えることができます。ワンルームマンションは製造原価よりも安いところで市場が成り立っている不思議な商品なのです。