バブルの頃の不動産業者の話を聞くと、色んな逸話が出てきます。例えば、同じ不動産を一日で何度も取引し、一日の中で値段がどんどん吊り上がっていったという伝説も聞いたことがあります。このように不動産には賃貸収入で稼ぐ以外に値上がり益で稼ぐ方法もあります。そこで今回は不動産投資と値上がり益について触れていきます。
不動産売買で得られる値上がり益をキャピタルゲインと言います。一方で、ワンルーム投資のように賃料収入で得られる利益をインカムゲインと言います。不動産の種類の中で一番キャピタルゲインが得やすい物件は、更地です。しかしながら更地のままではインカムゲインは得られません。
更地が値上がりしやすい理由としては、更地には用途の多様性があるためです。例えば商業地の更地であれば、自社オフィスで利用したい人や、マンションを建てたい人、商業施設を建てたい人など、様々な人が購入する可能性が有ります。そのため更地は需要者が多いため競争原理が働き、価格が跳ね上がる傾向になります。
一方で、ワンルームマンションのような収益物件は、用途が既に決まっています。需要者も不動産投資家が中心となります。まれに自分で住みたいという理由でワンルームマンションを購入する方も居ますが、少数派です。需要者が限られているということは、値上がりもしにくいです。そのため収益物件はキャピタルゲインが得られにくいという特徴があります。
収益物件が値上がりする可能性としては、賃料が上がるか。利回りが下がるかの2つの要因があります。ワンルームマンションの場合、賃料の値上がりはほとんど期待できません。そのため価格が上がる理由としては、投資家の期待利回りが下がることに限られます。
ワンルームマンションは元々、キャピタルゲインを狙いにくい資産です。まずはインカムゲインをしっかり確保することを重点的に考えましょう。