ワンルーム投資の宿命!?築年数と共に悪化する収益性の理由とは?

2016/05/25

私のところにも、たまにワンルームマンションの営業電話がかかってくる時があります。つい最近、受けた電話はひどいものでした。

030

その内容は「月5.3万円の賃料が入って、返済と合わせて毎月5万円の費用負担で済むお得な新築マンションです!」という話でした。全く「はぁ?」という感じです。私にはこの話のどこがお得なのかが、さっぱり理解できず、すぐに電話を切りました。このような話を真に受けて聞いてはいけません。

そもそも、住宅の賃料は、オフィスの賃料よりも築年数に敏感に反応するため、賃料は築年数と共に下がっていくという性質を持ちます。一般的に、賃貸マンションの賃料は新築時が一番高く、入退去の1回転目である2年目にガクッと下がります。その後、5年目程度まで安定し、その後は、空室も増え始め、賃料も徐々に下げざるを得ない状況へとなっていきます。

賃料が下がると、収益性はどんどん悪くなっていきます。そのため賃料収入と費用が新築当初からギリギリのラインになっている物件は、すぐに収入と支出が逆転し赤字が続いてしまいます。上述の新築時に5.3万円の賃料で5万も支出がかかるような物件などは、問題外と言えます。

さらに費用については築年数が経つと、修繕費が増えるため増加します。収益物件の特徴として、築年数と共に収入は下がり、支出は上がるという状況になります。さらには、資金支出のない減価償却費も築年数と共に減少していくため、節税効果も無くなり税金も増えていく形になるのです。

そのため、収益物件に投資する時は、収入と借入金返済や税金を含む支出を差し引いたキャッシュフローが十分にある物件を選ぶようにしましょう。不動産の収益物件は、築年数とともに収益悪化が避けられないため、築年数の浅い前半戦が勝負となります。

やはり「築浅の物件を選ぶ」、「自己資金を多く持つ」ということは、不動産投資の基本的なセオリーと言えるのです。