不動産投資はNOIから借入金返済額も引くとそんなに儲かりません

2016/03/13

不動産投資で重要な指標はNOI利回りです。NOIとはネットオペレーティングインカムの略で、収入から費用を差し引いた純収益のことを指します。プロの投資家はこのNOI利回りを基準として、物件が安いのか高いのかを判断しています。そのためNOI利回りは投資をするかしないかを決める主要な判断材料になります。

 013

たまにNOIを営業利益と訳している文章を見かけますが、厳密にはNOIと営業利益は異なります。通常、企業の損益計算では、営業利益は減価償却費も控除した後に利益ですが、NOIは減価償却費を控除しません。そのため「営業利益+減価償却費」がNOIとなります。

 

またNOIからは借入金の返済額も控除しません。NOIは、言い換えると営業利益に減価償却費を足した返済原資ということもできます。実際の手残りは「NOI-借入金返済額」となります。借入金と自己資金の割合はそれぞれ投資家によって異なますが、同じNOI利回りの物件でも借入金が少ないほど、投資家は儲かると言えます。

 

この不動産のNOI利回りですが、10年ほど前までは、5%というのが一つの目安でした。5%に特に理由はありませんが、なんとなく投資家が思い描いていた利回り感というのが5%くらいという世界でした。また10年くらい前であれば、投資用ワンルームマンションの利回りは7%程度というのも一般的でした。今となっては考えられない水準です。

 

ここ数年は不動産価格が高騰してきたため、利回りは下がっている傾向にあります。NOIが4%台の物件であれば、かなり良い方です。4%台の物件を購入してしまうと、借入金控除後の実際の利回りは2%台になる可能性が有ります。多くの個人投資家にとっては、この利回りの低さを馬鹿々々しく感じてしまいます。多額の借金をして、何十年ものローンを組んで低利回りの投資をする訳ですから、儲からないと感じるのは当然です。

 

しかしながら、不動産投資の利回りは、所詮はこの程度というのが現実です。低利回りが嫌だからと言って、リスキーな高利回り物件に投資するのはくれぐれも避けましょう。