不動産投資をするなら知っておきたい、敷金の取扱について

2016/03/31

入居者が既に入居している物件を購入すると、1つ問題が生じます。それは敷金です。入居者からすると敷金は前のオーナーに預けたものですが、その敷金の扱いはどうなるのでしょうか。そこで今回はワンルームマンションを購入した際の敷金の取扱について見ていきます。

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ワンルームマンションのような収益物件の売買は、賃貸人の地位承継と言われます。ルールとしては、賃貸人の地位承継は、借主である賃借人には通知だけで足り、同意を得なくても成立します。但し、賃貸人の地位を承継した新所有者は当然に敷金返還義務も承継することになります。

ただ、実際には新たな所有者と入居者との間で、再度、敷金を預け直すということは行いません。通常、敷金は前所有者である売主と買主との間で売買金額の中で調整することで、承継したことになります。例えば、前所有者が入居者から預かっている敷金が100万円だとします。物件価格が1,000万円だとすると、実際の売買では900万円を売主に支払うことにより、100万円を承継したことになります。

このように売買価格で敷金を調整してしまうため、実際、新所有者に敷金の手持ち資金が無いということが良くあります。そのため、物件を購入後、すぐに入居者が退去してしまうようなケースは、入居者に敷金を返還しなければなりません。入居者に何も落ち度がない場合、敷金を全額返金することになりますが、ここで新所有者が敷金を返還できないとトラブルに発展してしまいます。

このようなトラブルを防ぐためには、まずは購入時に入居者からの解約予告が出ていないかどうかを確認します。通常、解約予告は半年前のケースが多いため、すぐに出そうな入居者の有無を売買時点で把握しておきます。また敷金分はキャッシュを用意しておくことが重要です。敷金の承継は価格の値引きではないという認識を持っておく必要があります。

敷金相当額は自己資金で準備しておきましょう。