意外と安く買えない競売の実態とは

2016/03/17

以前、不動産は安い時期に買う以外、安く買う方法はないという話をしました。しかしながら、実際、安い時期に不動産を買うと言うのは難しいです。そもそも今が一番安い時期かということは誰にも分かりません。しかも不動産価格が下落している時期は、金融機関もローン査定が厳しくなります。安い時期に不動産を買おうとすると、自己資金を多く持っている人でないと不動産を買えないというのが実態です。

017

それでは不動産を安く買う方法というのは全くないのでしょうか。昔から不動産を安く購入する方法としては、競売があります。昔は、競売物件には占有屋という人達が居て非常にリスクが高いと言う時代もありました。但し、平成15年に民法の短期賃貸借制度が廃止されたことをきっかけに、このような占有屋のリスクというのはなくなりました。

従って、今では競売物件に法的なリスクというのはほとんどありません。リスクが無くなった分、競売で物件購入する人も増えてきました。その結果、残念ながら、今時は競売だからと言って、必ずしも物件を安く購入できるとは限りません。都内の物件の場合、良い物件であれば、最低競売価格の2倍くらいで落札されているケースが多いです。

競売の最低競売価格は、市場価格の70%で設定されます。但し、不動産鑑定士が若干、保守的に評価をしているため、実際は市場価格の65%程度が最低競売価格となります。そうすると最低競売価格の2倍の価格で落札されているということは、市場価格の130%程度で落札されている可能性もある訳です。

これを考慮すると、実は競売はちっとも安くありません。しかも2週間で入札しなければならないため、物件をじっくり調べる時間もほとんどありません。そのためリスクがある割には物件価格が高いということになります。

不動産はちょっと価格が上がり始めた時期に、普通に買うのが一番賢いのかもしれません。