以前、ワンルームマンション投資をするなら、単身世帯が増加し続ける都内がお勧めという話を書きました。都内がお勧めの理由にはもう一つあります。それは23区内がワンルームマンションの建築を規制する通称、ワンルーム条例というのが存在するため、供給量が抑えられているという点です。そこで今回は23区内で張り巡らされているワンルーム条例について、触れてみたいと思います。
ワンルーム条例とは各区の条例です。23区がそれぞれ独自の規制を定めているため、区によってルールが異なり、ワンルームが建築しやすい区や建築しにくい区が存在します。ワンルームの需要が増えているにもかかわらず、ワンルームの建築を規制する理由は定かではありません。一説には、単身者はゴミ出しマナーが悪く、地域のコミュニティにも参加しないため、単身者を街から排除したいという思惑があるそうです。
いずれにしろ、投資家にとってワンルーム条例は好都合です。需要は増えているのにもかかわらず供給が抑えられているため、空室リスクや賃料下落リスクが減ることになります。このような需要と供給のアンバランスが生じているのは23区だけであり、初心者でも不動産投資がしやすい環境が整っています。
ワンルーム条例では、主に最低住戸面積やファミリータイプの住戸設置、管理人の滞在時間などを義務付けています。最低住戸面積は25㎡や28㎡など区によって異なります。また40㎡以上のファミリータイプの住戸も一定割合で作るように定められています。他の市区町村ではワンルームの最低住戸面積は18㎡が一般的です。ファミリータイプの設置義務のない市区町村も多いです。
ワンルームを建築する際、最低住戸面積が大きいことやファミリータイプの住戸設置は、賃料単価を下げることになります。住戸面積が大きいほど賃料単価が低くなるため投資採算性が合いません、また有人管理も定められており、管理費用が膨らむため、結果的に収益が落ち込みます。そのため土地を購入してワンルームマンションを建築しようとすると、ほとんどの場合は投資採算性が合わなくなり、ワンルームの建築を断念することになります。
そのため、23区はディベロッパーが土地を購入してワンルームマンションを新築するケースは非常に少ないのが実態です。23区内は新築供給に怯えることなく、ワンルーム投資を行うことができる聖地と言えるのです。