空室が発生しても頼んでいる不動産会社が頑張って動いてくれない、こんな話は良くあります。不動産業者の動きの悪さは投資家にとって、一番もどかしい部分です。そこで今回は入居者募集に必要な広告宣伝費について、触れてみたいと思います。
不動産仲介業には大きく分けて売買と賃貸の2種類の仲介業務があります。不動産業者がもらえる仲介手数料は、売買であれば3%+6万円(400万円超の物件)、賃貸であれば家賃の1カ月分となります。
例えば、物件価格1,500万円で家賃10万円の投資用ワンルームマンションがあったとします。この物件の売買仲介を行えば、1500万円×3%+6万円=51万円の仲介手数料が入ります。一方で、賃貸仲介を行えば10万円の仲介手数料しか入りません。こうしてみると、どう考えても不動産会社にとってみれば、売買仲介の方が儲かる商売ということになります。
そのため、不動産仲介業者にとってみると、賃貸仲介というのは、どちらかと言うと積極的にやりたがらない業務になります。不動産会社が積極的に動いてくれないというのも無理がありません。
そこで業者ADと言われる広告宣伝費が登場してきます。業者ADは、自分が直接依頼している不動産会社が、他の不動産会社の力を借りて入居を決めた時に、他の不動産会社へ支払うフィーです。多少、グレーな感じのするフィーですが、業者ADを上手く活用している投資家は多いです。
業者ADは仲介手数料とは異なるため、何カ月分という決まりはありません。そのため物件によっては業者ADを3ヶ月支払うオーナーも居ます。どうやっても決まりにくい物件については、業者ADを奮発することで仲介業者にやる気を出してもらい、入居を決めます。元々、賃貸仲介というのは不動産会社にとっては儲からないため、手数料に多少色を付けることで優先的に自分の物件に入居者を呼び込むのです。
不動産業者を動かすのは難しいです。