こんにちは、今回は中小企業ならではの不動産投資と、それによって発生する課題と解決方法についてお話しします。
1.高利回り物件を求める中小企業
中小企業の中でも、社長が不動産投資を好きな方がいらっしゃいます。本業以外で安定した収益基盤を持つことは、経営戦略上、良いことです。実際、社歴が100年を超えるような企業は収益不動産を持っているケースが多く、安定収益が長い期間で生じる景気の荒波から本業を守ってくれています。
中小企業が不動産投資を行う場合、比較的、高利回りの物件を求める方が多いです。法人で物件を購入すると、銀行から借りられる借入期間が20~25年と短いため、必然的に求める利回りも高くなりがちです。そうなると中小企業の間では、築古で高利回りの収益物件が好んで売買されるようになるのです。
2.消費税込みの取引が多い
さらに、これも中小企業間の不動産売買の一つの特徴ですが、土地建物一体として消費税込みの金額で取引を行われるケースが多いです。そこで、課題となるのが、一体、消費税はいくらなのかという点です。土地は非課税で、建物は課税対象となるため、土地建物の内訳価格が分からないと、消費税が分からないためです。
3.建物価格次第では実入りが少なくなる
通常、消費税込みの土地建物一体の取引を行う場合、土地と建物の固定資産税評価額の割合で土地建物価格を割り付けることになります。しかしながら、築古の中古物件では、ここで一つ問題が生じます。古い建物の固定資産税評価額が実態よりも高止まりしているケースが多いです。そのため固定資産税評価額の割合で土地建物価格を決定してしまうと、建物価格が実態の建物価格よりも大きくなり、消費税の額が上がります。建物価格が大きくなると、売主の税抜部分の実入りが少なくなるのです。
そのため、節税目的で、土地建物価格の時価を知りたいというニーズがあります。当社では、このような収益物件の売主様からの鑑定評価の依頼があり、土地建物価格の時価を出すことで節税に役立てて頂いております。鑑定評価の取得が、消費税節約という課題解決になるのです。