アパート建築は要注意、賃料保証型のサブリースでも賃料減額はある!

2016/05/10

今日のお話はアパート残酷物語です。

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相続対策でハウスメーカーや銀行の強い営業によりアパートを建築することがあります。アパートを建ててもハウスメーカーの子会社である管理会社が一棟借りをして賃料保証するため、リスクはありませんという謳い文句です。

この賃料保証型のサブリースですが、リスクが無いということはありません。大アリです。賃料保証型のサブリースは空室が生じても一定額の賃料が支払われます。そのため、大抵は満室時の80~85%程度が保証賃料となります。

ここで問題となるのが、保証賃料も賃料減額が可能と言うことです。この賃料保証型のサブリース契約について、最高裁でも賃料減額を認めている判決を出しています。そのため今では賃料保証型のサブリース契約でも当たり前のように賃料減額が行われています。

賃料の減額が可能なため、一棟借りをしている管理会社はリスクがほとんどありません。リスクがあるのは不動産オーナーなのです。地方のアパートは早ければ築5~6年で空室が目立ち始める物件もあります。賃料減額が行われると、当初の収益見込みから大幅に下がるため、建築費の回収と借入金の返済が厳しくなります。

借入金の返済が厳しくなると売却せざるを得ない状況になりますが、空室の多い物件は安い価格でしか売れないため、大きな損失を出して手離すことになります。まさにアパート残酷物語です。そのため、郊外のアパート建築はハウスメーカーと銀行しか儲かりません。郊外の土地でアパートを建築するくらいであれば、買換え特例を使って、23区内のワンルームマンションに買い換えた方がリスクは低いと言えます。

ちなみに普通借家契約では、契約書内に家賃を減額できない不減特約を条文に入れていても無効です。契約書上で減額できない旨の特約を結んでいても、裁判になったら意味がないのです。

賃料保証型のサブリースでも賃料減額はあるということを知っておきましょう。