株やREITのような投資商品は価格が変動します。ワンルームマンションの価格も上がったり、下がったりします。そこで今回は投資用ワンルームマンションの価格の決定要素についてお話しましょう。
不動産の投資物件の価格を決める大きな要素は、利回りと賃料の2つです。賃料から固定資産税や修繕費などの経費を引いたものがNOI(ネットオペレーティングインカム)です。NOIを利回りで割ったものが、不動産の収益価格と言われます。
つまり分子がNOIで、分母が利回りです。収益物件の価格が上昇するためには、分子であるNOIが大きくなるか、分母である利回りが小さくなる必要があります。NOIが大きくなるためには賃料が上がる必要があります。一般的に、オフィス賃料は景気の好況によって上下しますが、ワンルームのような住宅賃料の値動きは少ないです。
ワンルームマンションは主に給与所得者が入居します。通常、景気が良くなっても何倍も賃料が払えるほど給料は上がりません。そのため、住宅の家賃は景気が良くなってもあまり上がらないのです。逆に景気が悪いときも、ボーナスは減っても月々の給料が何分の一にはならないため、住宅の家賃はあまり下がらないのです。
そうすると、ワンルームマンションの場合、分母のNOIはほぼ一定のため、価格が上下する最大の要因は分母の利回りとなります。利回りは金利が安くなると投資家の期待利回りも下がってきます。利回りが下がると、NOIを小さな利回りで割るため、ワンルームマンションの価格は上昇するのです。
ワンルームマンションは、基本的にはキャピタルゲインを狙うような投資物件ではありません。しかしながら、高くなった時に売り抜けたいと思うのであれば、その価格動向を注視する必要があります。価格予測をするには日銀の金利操作が大きなポイントです。
日銀が金利を上げると言えば、ワンルームマンションの値段は下がり、金利を下げると言えばワンルームマンションの値段は上がると言えるのです。