不動産オーナー側からみたダメな家賃削減の依頼とは!?

2016/09/20

当社では家賃削減ビジネスを行っていますが、不動産オーナー側に立って、家賃削減の申出を断るビジネスも行っています。これも個人オーナーや中小企業向けの一つのCREビジネスと言えます。

不動産オーナー側に立って家賃削減を見てみると、7割くらいのテナントが、「売上が下がったから家賃を下げてください」というニュアンスのお願いをしてきます。周辺の賃貸事例を集めて客観的な数字を持って交渉してくるテナントは少数派です。

不動産オーナー側からすると、家賃を下げることに一つもメリットはありません。「売上が下がったから下げてください」と言われても、家賃を下げれば、不動産オーナー側の売上も下がってしまいます。このような依頼の仕方では不動産オーナーが納得しないのも当然です。

売上が下がるというのは、大きく分けて法規制が変わるなどの①外部環境要因による変化や、社員が辞めたなどの社内事情による②内部環境要因による変化の2つの理由が考えられます。そのため、単に「売上が落ちました」と言われても、不動産オーナーからすると、「お宅の経営努力が足りないのでは?」という気持ちになってしまうのです。

家賃削減依頼をする時は、客観的な外部環境要因を提示して交渉することが鉄則です。最も重要な資料は周辺の賃貸事例となります。周辺の賃貸事例が今借りている賃料よりも安ければ、現状の家賃は高過ぎる点を訴え、適正家賃に調整してもらうのです。また業界に関係する法律が強化されたり緩和されたりすると、売上が大きく落ち込むことは、良くあります。そのような状況であれば、売上が急速に回復するのは難しいため、客観的な社会情勢を説明し、家賃削減を申し出るのです。

不動産賃貸借はオーナーとテナントに継続的な関係があります。賃下げを依頼しつつも良好な関係を維持することが最も重要な点です。自分たちが勝手に主張しているという印象を与えず、客観的な社会情勢の変化を訴えることにより、運命共同体である不動産オーナーに賃下げを協力してもらうというスタンスが家賃削減のコツなのです。