不動産投資は「投資」なので、当然、リスクを伴います。不動産投資の中で最大のリスクは空室リスクです。そこで今回は空室リスクについて考えてみたいと思います。
空室リスクは、それを呼び水として様々なリスクを引き起こします。まず空室リスクと直結するのが賃料下落リスクです。空室が続き、入居者が決まりにくくなると、賃料を下げることになります。退去が発生する度に、賃料が下がっていき、当初の収益計画と異なる目論見となり、「こんなはずじゃなかった・・・」と後悔するようになります。
さらに、状況が悪化すれば賃料を下げても入居者が決まらない状況に陥ります。そこで行われるのが空室対策リフォームです。リフォーム対策は非常に難しく、これをやったから絶対成功するというものはありません。購入した時の投資額がまだ回収しきっていない状態で、リフォームという新たな追加投資が発生します。このリフォーム投資は費用対効果が見えないため、投資家にとっては非常に勇気を要する投資となります。
そしてリフォームをやったにも関わらず、入居者が埋まらないケースは良くあります。また賃料も上がるどころか、リフォームして、結局はまた賃料を下げてなんとか入居者が決まるということもあります。入居者はインターネットで物件検索を行いますが、インターネットでは築年数で物件が分類されてしまいます。そのためリフォームをしても築年数の履歴が消えない以上、古くて賃料の安い物件と常に比較されてしまうことになります。
こうなると投資家としては物件を手離したくなります。しかしながら、最後に待ち受けているのが、賃料が下がっているため、物件価格が下落しているという事実です。いわゆる価格下落リスクです。元本回収ができず、手離したら損もするため、ズルズルと物件を保有し負のスパイラルに陥ります。
このように空室リスクは様々なリスクを次から次へと呼び起こし、最悪のシナリオを招きます。空室リスクは最も怖い不動産投資のリスクなのです。