気持ちは分かりますが利回りの高い地方物件に手を出してはいけません

2016/04/22

個人投資家の方が不動産投資で失敗する典型的なパターンに、利回りの高い郊外物件に手を出してしまうケースがあります。利回りを求めれば、自ずと地方の築古物件に目が行ってしまいます。そのためプロが絶対手を出さないような地方の築古アパートに手を出してしまう個人投資家は多いです。そこで今回は、なぜプロが地方の木造築古アパートに投資をしないのか、その理由についてお話しします。

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投資のプロであるREITが地方の築古アパートには手を出しません。三井不動産や三菱地所といった大手不動産会社も地方の築古アパートに手を出していません。地方の築古アパートが本当に儲かる物件であれば、彼らはあらゆる情報を駆使して、全国の築古アパートを買い占めているはずです。しかしながら、そうはなっていません。プロの投資家である彼らは、築古アパートは、儲かるどころか、結局は損をするリスクのある物件だと判断しているため、買わないのです。

地方の築古アパートは多くの人に見向きもされませんので、安いです。そのため利回りも高く見え、一見、儲かりそうな気がします。しかしながら地方の築古アパートは、空室リスクが高いです。1部屋当たりの賃料総額も小さいため、仮に空室対策を行ったとしても、リフォームの回収に何年もかかります。また空室が続けば賃料を下げざるを得ず、収益も下がります。建物も古いため、至る所で修繕が発生し、追加コストが発生するばかりです。

そのため、例えば地方の築古アパートでNOIが10%だったとしても、実際は10年では回収できません。すぐに追加投資が発生することに加え、賃料もどんどん下がるため、利回りも低下していきます。後から後から追加のお金が必要となり、結局のところ儲からないのです。

地方の築古アパートは利回りが良いから儲かるのではなく、リスクが高いため利回りが高くて当然なのです。プロでも手を出さない難しい物件を、個人がわざわざ買う理由はないのです。