個人投資家の方が郊外の木造築古アパートに手を出しているのを見ると、なんともやるせない気持ちになります。確かに木造築古アパート物件ばかりを購入して成功している投資家もいるようです。実際に木造築古アパートで成功している人もいるため、このような投資スタンスを否定はしませんが、成功の再現性は低い投資と言えます。
不動産投資市場には、プロが絶対手を出さないような物件を、個人投資家が購入してしまっている構図が見られます。最後にババを引いているのは個人投資家です。もちろん、REITのアセットマネージャーのようなプロ投資家と同じことは出来ませんが、参考にすることはできると思います。
不動産投資のプロであるREITが、地方の木造築古アパートを買いあさるということは、まずあり得ません。それは地方の木造築古アパートは投資対象としてリスクが高いからです。木造築古アパートには、空室リスクや大規模修繕リスク、賃料下落リスクなど様々なリスクが潜んでいます。そのためプロの投資家は利回りが高くても、このような物件には手を出しません。
プロが手を出さない物件には、個人投資家も手を出さないというのが鉄則です。しかしながら、都心部で立地条件が良くてもプロが手を出しにくい物件はあります。それは規模の小さい物件です。例えば区分所有のワンルームマンションをREITがちまちま購入するということはありません。REITの場合、投資効率を考えて、ある程度規模の大きい物件を購入します。
REITが購入したい規模の物件としては、1棟のワンルームマンションで10~15億程度が適正です。そのため、1棟で1~2億程度のワンルームマンションなどは、立地が良くても手を出しにくい物件です。立地はプロから見ても合格でも規模が小さい物件は、個人投資家にとっては理想的です。
くれぐれもプロが最初から見向きもしないような物件には手を出さないようにしましょう。