個人投資家の方が不動産投資で失敗する典型的なパターンに、利回りの高い郊外物件に手を出してしまうケースがあります。利回りを求めれば、自ずと地方の築古物件に目が行ってしまいます。そのためプロが絶対手を出さないような地方の築古アパートに手を出してしまう個人投資家は多いです。そこで今回は、なぜプロが地方の木造築古アパートに投資をしないのか、その理由についてお話しします。
投資のプロであるREITが地方の築古アパートには手を出しません。三井不動産や三菱地所といった大手不動産会社も地方の築古アパートに手を出していません。地方の築古アパートが本当に儲かる物件であれば、彼らはあらゆる情報を駆使して、全国の築古アパートを買い占めているはずです。しかしながら、そうはなっていません。プロの投資家である彼らは、築古アパートは、儲かるどころか、結局は損をするリスクのある物件だと判断しているため、買わないのです。
地方の築古アパートは多くの人に見向きもされませんので、安いです。そのため利回りも高く見え、一見、儲かりそうな気がします。しかしながら地方の築古アパートは、空室リスクが高いです。1部屋当たりの賃料総額も小さいため、仮に空室対策を行ったとしても、リフォームの回収に何年もかかります。また空室が続けば賃料を下げざるを得ず、収益も下がります。建物も古いため、至る所で修繕が発生し、追加コストが発生するばかりです。
そのため、例えば地方の築古アパートでNOIが10%だったとしても、実際は10年では回収できません。すぐに追加投資が発生することに加え、賃料もどんどん下がるため、利回りも低下していきます。後から後から追加のお金が必要となり、結局のところ儲からないのです。
地方の築古アパートは利回りが良いから儲かるのではなく、リスクが高いため利回りが高くて当然なのです。プロでも手を出さない難しい物件を、個人がわざわざ買う理由はないのです。