こんにちは、㈱グロープロフィット代表取締役の竹内です。
本日からは中小企業のCREについてお話いたします。私自身、普段から中小企業に接する機会が多く、中小企業診断士という視点と不動産鑑定士という視点の2つから「中小企業の」のCREについて考えてみたいと思います。
さて、CREと言われても、まだまだ知らない方も多いのが実情です。CREとは「Corporate Real Estate」の略で、直訳すると企業不動産ということです。企業は経営をしていく中で、事務所や店舗、工場、倉庫、遊休地などの何らかの不動産を保有したり借りたりしています。CREに明確な定義はないのですが、企業経営活動に利用している又は持っているだけの不動産を全て含めてCREと言っているのです。
中小企業のCREとなると、様々なケースが考えられます。そもそも、ほとんどの中小企業は、大企業と比較すると保有資産が少ないというのが特徴です。希に、中小企業でもたくさんの資産を持っている企業があります。そういう企業は、決まって社歴の長い会社です。例えば、酒蔵などの100年企業の中小企業は、不動産をたくさん持っているケースがあります。
そのため、中小企業の場合、資産が少ないか、もしくは持っていない(借りている)というケースがほとんどです。そのため大企業向けのCRE戦略の様に、「あの資産を売りましょう、この資産は持っておきましょう」などと言うことが、そもそも出来ません。一つしかない工場敷地を売ってしまったら、それこそ事業のゴーイングコンサーンの前提が失われます。
特に社歴の浅い中小企業の場合、資産を売るという選択肢は基本的にありません。中小企業の場合は、むしろ、不動産を「買いたい、借りたい」というニーズの方が高いです。例えば、今の工場の隣地を買いたいとか、今は借地で経営しているが底地を買いたいと言ったニーズを持っています。不動産鑑定的に言うと、限定価格の世界であり、価格としては高くなるケースが多いです。しかしながら、中小企業者の経営者の悩みは、「出来れば安く買いたいが、どうしたら良いか分からない」というものだったりします。
ただ、中小企業も不動産の悩みを多く抱えています。今後は中小企業のCREについて、ご紹介していきます。