そこに単身者が住む理由があるかどうか、その見極めが重要です

2016/05/30

本日は少し視点を変えた立地の選び方について紹介します。一般的な立地の選び方では、最寄駅や、最寄駅からの距離を重視して決定します。具体的には快速が停まる駅なのか、始発の駅なのか、駅から徒歩10分圏内か、徒歩5分圏内かなどのポイントです。

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しかしながら、ワンルームの需要は必ずしも「駅」だけで決まる訳ではありません。もっと重要なことは、その街に単身者が住む理由があるかどうかの方が重要と言えます。例えば、空港が近くにある街や大きな病院がある街は、そこで働く人たちが住む理由のある街です。

近くに空港がある街は賃貸需要の高い特殊なマーケットが成立しています。空港の近くは都心部からは少し離れているため、土地代は安い傾向にあります。例えば成田空港の近くなどは典型例です。成田市は都内の23区と比較すれば土地代は安いです。成田空港はLCCの発着便が多いため、深夜帯でも通勤できるよう空港関係者が近くに多く住んでいます。そのため単身世帯の底堅い賃貸需要があります。

羽田空港も同様の傾向があります。空港の近くは品川区の中でも少し不便な場所にも関わらず、単身者による賃貸需要が高いエリアになっています。安定的な賃貸需要が見込まれる空港近くの物件は、プロも注目しています。羽田空港近辺は、住宅系のREITが所有している物件も多いです。

その他、大きな病院がある街も特殊な賃貸需要があります。大きな病院の近くは看護師や医者などが住みます。彼らは緊急時に病院に駆けつける必要があり、病院の近くに住みます。さらに良いことに、看護師や医者は給与水準が高いため、高い賃料で貸すことが可能です。少し郊外の物件であっても病院関係者が住むような街であれば、高収益で安定した賃料収入も期待できます。

単身者が住む理由のある街は、賃貸需要が高く、高い賃料も取ることが可能なエリアです。空港関係者や病院関係者といったターゲットも明確であり、ターゲットに喜ばれるサービスも考えやすく、空室対策もしやすいといった特徴もあります。

立地選びのポイントは何も23区内の駅に近い物件だけではありません。単身者の住む理由が明確な街であれば、安定的で高収益の物件を手にする可能性は高まります。一度、視点を少し変えて物件選びをしてみるのも良いでしょう。