その物件、つい建物だけ気に入って、買おうとしていませんか?

2016/03/03

不動産は土地と建物で構成されております。不動産投資で土地と建物のどちらかを重視すべきは、土地、つまり「立地」です。不動産賃貸業で重要なのは間違いなく立地です。建物は同じ仕様で建築すれば、都心も田舎も同じ建物を建てることが可能です。建築費についても、全国ほぼ一緒です。しかしながら、同じ建物であっても都心と田舎では得られる賃料は異なります。この違いはまぎれもなく立地が生み出している違いです。

 003

また建物については、経過年数と共に価値は下落していきます。そのため建物は購入した瞬間が一番高く、毎年価値が下がっていくことは必須です。一方で、土地については景気の変動により土地価格が上がることも下がることもあります。特に都心部では建物よりも土地価格の方が高いため、土地の値上がりによって、土地建物を合わせた不動産価格そのものが上昇することは珍しくありません。

 

そのためプロの不動産投資家が物件を購入する際は、立地に徹底的に拘ります。立地ありきで、次に建物です。プロの投資家は立地が良ければ、初めて検討の遡上に乗せますが、建物だけ良くて立地が悪い物件は、検討の遡上にもあがりません。建物は二の次なのです。

 

しかしながら、土地よりも建物の良し悪しを判断するには豊富な知識と経験が必要になります。実は土地よりも建物の良し悪しを判断する方が専門的で難しいです。一級建築士のような理科系の知識も要求されると、投資家としては、つい不安になります。そのため、不動産投資家の初心者は、つい建物を理解するため、建物について一生懸命見てしまい立地の重要性をないがしろにするケースも多いです。

 

それでも投資家としては、立地を重視するスタンスを忘れてはいけません。立地が良くて建物が古い物件と、立地が悪くて建物が新しい物件であれば、前者を選ぶくらいの気構えも必要です。情報に惑わされず、どっしりと立地を優先させましょう。