戸建て売却って本当に面倒!楽に売るには?成功例と注意点も紹介

2019/01/29

住宅の売却は、マンションよりも戸建の方が正直、「面倒」です。
宅地建物取引業法も改正され、どんどん面倒な方向に向かっています。

木造は建物が早く傷みやすいという部分もあり、買主の目線もマンションより厳しいです。
また、戸建ての売却では、土地の境界明示などのマンションにはない手間も発生します。

戸建の売却は準備の面で面倒ですが、ちょっとした知識でその面倒は軽くすることができます。

一方で、「うるさい買主」が登場してくると、売却が一気に面倒になることもあります。
「うるさい買主」を回避して売るには、売却の仕方にも工夫が必要です。

そこで、本記事では戸建てを楽に売るにはどうしたら良いか、「面倒な準備とそれを少しでも楽にする方法」や「売却の成功例」、「値引きを受ける可能性ある注意点」等についてご紹介します。

この記事をお読みいただくことで、戸建て売却の面倒な準備への対処法と成功する売却方法について知ることができます。
ぜひ最後までご覧ください。

この記事の筆者:竹内英二 (不動産鑑定事務所:株式会社グロープロフィット代表取締役)
保有資格:不動産鑑定士・宅地建物取引士・中小企業診断士・不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン

 

1.面倒な準備と少しでも楽にする方法

最初に戸建て売却の「面倒な準備」に照準を合わせ、それを少しでも緩和する方法について解説します。

1-1.境界明示

戸建ての売主には、面倒ですが売却時に土地の境界明示義務があります。
境界ラインが定まっていることを、「確定している」と表現します。

境界が確定していれば、「確定測量図」(もしくは確定実測図)という図面があるはずです。
図面名称の中に「確定」という2文字が入っている図面であれば、全ての境界は確定していることになります。

確定測量図がある人は、確定測量図に記載された境界鋲があることをきちんと確認してください。
確定測量図と境界鋲があれば、境界明示は可能です。

一方で、境界が未確定の場合には、面倒ですが測量が必要となります。

境界には民々境界と官民境界の2種類があります。
確定測量図を作成するには、民々と官民の両方の境界を確定しなければなりません。

境界の中でも、官民境界は確定に半年以上の時間がかかり、大変面倒になります。
そこで、「どうしても官民境界の確定は面倒で嫌だ・・・」という場合には、民々だけは確定し、官民の境界は省略するという方法も取ることができます。

官民の境界確定を省略するには、「買主の同意」が必要です。
具体的には土地家屋調査士等の立会いのもと、「民々境界だけを確定した現況測量図」を作成し、官民は省略することを買主に同意してもらいます。

不動産会社に対しては、官民の未確定を容認してくれる買主を探してもらうことを条件として伝えます。

官民確定するのが面倒な場合には、事前に不動産会社に相談するようにしましょう。

【関連記事】

境界明示ってしないといけないの?方法や法律根拠・しない場合を解説

1-2.必要な書類

戸建ての売却では、面倒ですが買主に引き渡す必要な書類がいくつかあります。
具体的には以下の書類が必要です。


(土地関係)
・土地の確定測量図または民々境界だけが確定した現況測量図
・土地の境界が確認できる資料(筆界確認書)
・越境の覚書※

(建物関係)
・建物の設計図書(確認申請図または竣工図等の建物図面)
・建築確認申請書
・建築確認済証
・検査済証


※越境の覚書とは、お互い何が越境しあっているか確認しあった書面です。
越境の覚書は、特になくても問題ありませんが、あると買主に対して親切です。

上記のうち、土地の「確定測量図」と建物の「検査済証」は超重要な書類となります。

土地に関しては、境界の明示が義務ですので、無ければ売却までに測量して作っておきます。
最大限譲歩できる部分は、前節で紹介した官民境界の確定の省略のみです。

建物に関しては、基本的に書類は無くても売却は可能です。
ただし、買主へ引き渡す書類ですので、基本的にはあった方が良いです。

また、面倒ですが、以下の書類に関しても不動産会社から存在の有無について確認を受けます。


(全建物共通)
・建物状況調査(インスペクション)の結果報告書
・既存住宅に係る建設住宅性能評価書

(昭和56年5月31日以前に新築工事を着手した建物である場合)
・耐震診断結果報告書
・瑕疵保険の保険付保証明書
・建築士法第20条第2項に規定する証明書(構造計算書)の写し
・耐震基準適合証明書の写し
・住宅耐震改修証明書の写し
・固定資産税減額証明書の写し
・増改築等工事証明書の写し


上記の書類も無いと売却できないものではありません。
しかしながら、不動産会社に必ず有無の確認を受ける書類です。

これらの書類の有無を確認されると知っておくだけでも、少しだけ面倒臭さを減らすことができます。
書類の名称を見て、心当たりがあれば、さっと出せるように準備しておきましょう。

尚、売却する戸建ての「購入時の売買契約書」や「新築時の請負工事契約書」は売却後の税金を計算する上で必要な書類となります。

これらの「購入金額の分かる資料」は税金を少なくする効果があるため非常に重要です。
売却後の確定申告まで必要となりますので、確定申告が終わるまでは必ず保管しておくようにして下さい。

1-3.インスペクション

インスペクションとは、専門家による建物状況調査のことです。
建物の専門家による調査であることから、インスペクションに合格すると、買主が安心して物件を購入することができます。

面倒ですが、売主が事前にインスペクションを実施しておけば、戸建てを高く売却できる効果があります。

インスペクションは、義務ではないので面倒であればやらなくても構いません。

ただし、「昭和56(1981)年6月1日以降の建築で、かつ、築20年超の戸建て」であればインスペクションをやることをおススメします。

築20年超の戸建ては、そのまま売却しても買主が住宅ローン控除を受けることができません。

築20年超の戸建てで住宅ローン控除を受けられるようにするには、物件が瑕疵(かし)担保保険に加入していることが要件となります。

瑕疵担保保険(既存住宅売買瑕疵保険のこと)とは、売却後に雨漏り等の瑕疵が発見された場合、その修繕を保険金でカバーできる保険です。

瑕疵担保保険に加入するには、「新耐震基準を満たしていること」と「インスペクションに合格していること」の2つの要件を満たす必要があります。

昭和56(1981)年6月1日以降の建築物であれば、新耐震基準を満たしていることになります。

そのため、インスペクションに合格すれば、瑕疵担保保険に加入できますので、「住宅ローン控除を受けられる可能性のある物件」に変わります。

瑕疵担保保険は買主が加入しても構わないため、インスペクションに合格しているだけでも、かなり付加価値が上がり、売却しやすくなります。

それでもインスペクションが面倒であれば、買主からインスペクションの申出があった場合には、応諾することをおススメします。
インスペクションは売主さえ了解すれば、買主の費用負担で行うことも可能です。

インスペクションは、築年数や買主の希望等によって実施の有無を判断しましょう。

インスペクションや瑕疵担保保険については以下の記事で詳しくご紹介しています。
是非ご覧ください。

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インスペクション(建物状況調査)とは?意味や効果・費用を徹底解説

インスペクションは意味があるか?やらなくてもよい?判断の仕方を解説

既存住宅売買瑕疵保険とは?メリットや費用・付保証明書を徹底解説

1-4.付帯設備表と告知書の記入

戸建ての売却では、面倒ですが、売主が付帯設備表と告知書の記入を行います。

付帯設備表とは、売却対象となる住宅の設備に関する状況について、買主に明確にして引渡すための書類です。

告知書(物件状況確認書)とは、売主が知っている瑕疵を買主に伝えるための書面になります。
瑕疵とは、雨漏り等の売買契約の目的物が通常有すべき品質・性能を欠くことを言います。

付帯設備表や告知書は、売主が記載しなければならない文書のため、紙で渡され「手書き」で書くことが通常です。

データだと、売主が直接書かず、不動産会社に書かせてしまう売主がいるためです。
不動産会社は設備の不具合まで細かく把握していないため、当然ながら付帯設備表や告知書が不十分な内容となってしまいます。

すると、売却後にトラブルとなり、買主からクレームになることがあります。

しかしながら、付帯設備表や告知書は記載することが多いため、「手書き」というのは実際かなり面倒です。

そのため、以下の記事では売り主の負担を軽くすべく、付帯設備表と告知書の記入例とワードの雛形を紹介しています。

【関連記事】

不動産売却における付帯設備表・告知書の書き方および記入例を紹介

ワードにすることによって、加筆修正が簡単にできるようになりますので、面倒臭さがかなり減ります。
主旨をご理解いただき、必ずご自身で記載するようにして下さい。

1-5.内覧対応

住みながら家を売る場合、面倒ですが売主は内覧対応を行います。
内覧とは購入希望者に対して物件の中を見てもらう行為です。

前節で紹介した付帯設備表や告知書は、内覧前までに記載を終えておくことが望ましいです。

内覧は空振りもありますので、売却が決まるまで何度も行います。
土日に集中しますので、休日も休めなくなり、かなり面倒です。

もし、経済的余力があれば、先に引越をしてから空き家の状態にすると内覧を不動産会社に任せることができます

住宅ローンを返し終わっているような戸建てであれば、先に引越をしてもそれほど経済的負担は大きくないはずです。

内覧を不動産会社に任せる場合、鍵を不動産会社に預けます。
先に引越をして不動産会社に内覧を任せると、楽になるだけでなく、空き家なので家の中を綺麗に見せることができます。

住みながら売却すると、家の中に生活感が出てしまい、家を良く見せることが難しくなります。

先に引越をしてしまえば、内覧も楽になり、しかも家を売りやすくなるのです。

尚、経済的な理由から住みながら売却をする場合には、内覧対応が必要です。
内覧は効率よく行う必要があります。

内覧については以下の記事で詳しく記載しています。
ぜひご参照ください。

【関連記事】

住みながら売却!マンション・戸建てを高く売るための内覧を解説

1-6.税金と確定申告

不動産を売却すると、税金が発生し、面倒な確定申告が発生する可能性があります。
不動産の税金はとても面倒です。

まず戸建を売却したときの税金は発生する場合としない場合があります。
また、発生したとしても節税の特例を使うと発生しないことがあります。

税金が発生する場合には確定申告が必要ですが、税金は発生しなくても節税の特例を使う場合には確定申告が必要です。

税金の発生に関しては、譲渡所得を計算する必要があります。

譲渡所得は以下の式で計算されるものになります。


譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用


譲渡価額とは売却価額です。
取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。
譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

取得費は、売却した住宅の「購入時の売買契約書」や「新築時の請負工事契約書」を用いて計算します。
減価償却費という計算をしなければならないため、とても面倒です。

とりあえず、税金が発生しそうかどうかについては、以下の記事につけているエクセルで簡単に算出することができます。

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一方で、譲渡所得は計算の結果、マイナスとなることもあります。
マイナスとなって譲渡所得は譲渡損失と呼ばれます。

譲渡損失が発生した場合、戸建てのようなマイホームは一定の要件を満たすと税金の還付を受けられる特例を利用できることがあります。

面倒ですが、譲渡損失の特例はお金が戻ってくる特例ですので、頑張って利用することをおススメします。

ただし、譲渡損失の特例は義務ではないので、本当に面倒であればやらなくても構いません。

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マンション・戸建てで売却損失が出た場合の確定申告と税金計算方法を解説

 

確定申告は、売却した翌年の2月16日から3月15日の間に行います。
面倒ですが、確定申告はとりあえず先のことですので、売却の最終局面で考えれば良いでしょう。

2.戸建て売却の成功例

前章で紹介した内容は、戸建て売却で発生する手続き上面倒な部分です。

仮に、手続き上面倒な部分を全てクリア―しても、「うるさい買主」に当たってしまうと、戸建て売却はもっと面倒臭くなります。

やれ、「境界は官民が確定していないと買わない」とか、「インスペクションに合格していないと買わない」とか等を言い出すと、売主としては面倒でも対応せざるを得ません。

買主にじっくり料理されてしまうと、売主は餌食となり、売却が面倒なものに変わります。
戸建てを売却するには、このような面倒な状況にならないようにすることが成功の秘訣です。

そこで、この章では戸建て売却に成功した千葉市緑区にお住いのHさんの成功例についてご紹介します。

Hさんの売却方法とは、以下の2つを実践したことです。


1.一般媒介契約で売却した
2.HOME4Uを使った


2-1.成功理由1:一般媒介契約で売却した

1つ目が「一般媒介契約で売却した」という点です。
媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介の契約のことです。

媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。

一般媒介契約とは、複数の不動産会社に同時に売却の依頼ができる契約になります。
それに対して専任媒介契約と専属専任媒介契約1社の不動産会社にしか売却の依頼ができない契約です。

複数の不動産会社に売却を依頼すると、それらの会社が次々と購入希望者を集めてくるようになります。

不動産の売却では、先に売主の希望を満たす買付証明書を提示した人が買主となれます。
買付証明書とは、購入希望者が「買います」と正式に意思表示をする書面です。

一般媒介で売却を依頼すると、例えばAさんが「買おうかな、どうしようかな」と迷っている間に、他社がBさんを連れてきて買付証明書を出させてしまうということがあります。

買主がじっくりと要求する間もなく、他の買主が現れてしまうのです。

甲不動産会社が連れてきたAさんが「境界が全て確定させてくれたら買うんだけどな・・・」と要求している間に、乙不動産会社が「官民境界は確定しなくて良いから、とにかく買わせてくれ」というBさんを連れてくる可能性があるということです。

複数の不動産会社に売却を依頼すると、不動産会社も買主も早い者勝ちになります。
早い者勝ちになると、「細かいことはどうでも良いから、とにかく買います」という買主が現れやすくなり、売主の面倒臭さが大きく減ります。

不動産会社や買主に競争関係がないと、面倒くさいことを言う買主が現れやすくなります。
楽に売るには、面倒臭くない買主に買ってもらうことも大きなポイントとなのです。

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不動産一括査定って不安?デメリットや老舗度ランキングによるおすすめを紹介

2-2.成功理由2:HOME4Uを使った

2つ目はHさんがHOME4Uを使ったという点です。
HOME4UはNTTグループが運営する不動産一括査定サイトです。

HOME4Uは、野村の仲介+、三井住友トラスト不動産や住友林業ホームサービス、大成有楽不動産販売、三菱UFJ不動産販売等の大手の不動産会社の他、地元の有力な不動産会社にも無料で査定依頼できるサービスです。

一般媒介で複数の不動産会社に依頼するには、実力のある不動産会社をかき集めないと効果が出ません。

下表はオリコンによる不動産仲介の顧客満足度ランキングですが、赤字で記載されている会社がHOME4Uで登録されている企業になります。
戸建てなら、TOP5のうち、3社がHOME4Uで登録されている企業です。

HOME4Uで査定依頼すると、力のある不動産会社をかき集めることができるため、そのまま全社に一般媒介で依頼すると、非常に効果的な売却をすることができます。

HさんはHOME4Uで一般媒介をしたら、あっという間に売れ、結局どの会社の査定額よりも高い金額で売れたと言っていました。

一方で、千葉市稲毛区のWさんは「すまいValue」を使って同じことをやろうとしたところ、1社の強引な営業によって一般媒介ができませんでした。
売却期間は8ヶ月にもおよび、結果、査定額よりは低い価格での売却となりました。

同じことをやろうとしても、利用する一括査定サイトが異なると、やりたいことができません。
戸建て売却を成功させたいなら、「すまいValue」は使ってはダメということになります。

HOME4Uは日本で最も古くから運営されている老舗の一括査定サイトです。
大手のみならず、中小の不動産会社も登録されており、柔軟性があります。

HOME4Uなら、力のある不動産会社に売却依頼ができますので、成功確率がぐっと上がります。
「一般媒介×HOME4U」のセットで面倒な売却を楽なものに変えましょう。

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3.値引きを受ける可能性のある注意点

戸建ての売却は面倒ですが、あまり手を抜きすぎると値引きを受ける原因となります。
そこでこの章では値引きを受ける可能性のある注意点について解説します。

3-1.売主の瑕疵担保責任

最初に戸建ての売却で知っておきたい売主の瑕疵担保責任について解説します。

瑕疵とは、売買契約の目的物が通常有すべき品質・性能を欠くことを言います。
瑕疵には、物理的瑕疵、法律的瑕疵、心理的瑕疵、環境的瑕疵の4種類があります。

民法では、瑕疵が発見されたとき、買主は「発見後1年間」は売主に対し損害賠償を、契約の目的を達成できない場合には解除を請求できると定めています。
売主が負う損賠賠償や契約解除の責任を瑕疵担保責任と呼びます。

瑕疵担保責任は、売却後も売主が責任を負うという「超絶!面倒」な規定です。

この規定をそのまま適用してしまうと、売主は一生瑕疵担保責任を負い続けることになり、売却後50年を経ってから瑕疵担保責任を追及されるということもあり得ます。

そのようなことにならないように、不動産の売却では売買契約書で売主の瑕疵担保責任を軽減する規定を設けます。

民法の瑕疵担保規定は任意規定と呼ばれている原則を定めたものです。
任意規定とは、売主と買主が合意をすれば、原則とは異なる特約を結ぶことが可能となります。

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3-2.瑕疵担保責任の全部免責と値引き

瑕疵担保責任は売主にとって「超絶!面倒」なため、売買契約書において売主が負う瑕疵担保責任の期間を制限することが一般的です。

具体的には、通常、売主が負う瑕疵担保責任の期間は3ヶ月とすることが多いです。

売主が宅地建物取引業者以外である場合、瑕疵担保責任の期間については、どれだけ短くしても構いません。

個人が戸建てを売るような場合には、瑕疵担保責任を一切負わない「全部免責」をすることも可能です。

全部免責で売れば、売却後、後から買主にグチグチ言われる心配はないため、安心です。
売却後、瑕疵が発見されたとしても、全部「知らん顔」できることになります。

しかしながら、瑕疵担保責任を全部免責すると、買主が不利となるため交換条件として「値引き」を求められることが多いです。

「瑕疵担保責任は面倒だから、全部免責にしたい」となると、高くは売れなくなりますので注意が必要です。

3-3.高く売るなら面倒くさがらないこと

結局のところ、戸建ての売却では面倒に感じて色々なものを省略すると、値引きを受け、高く売れなくなっていきます。

戸建てを高く売りたいのであれば、面倒くさがらずに「より良い状態のもの」にしてから、一定の瑕疵担保責任を負う形で売却することが必要になってきます。

より良い状態にするには、具体的には以下のような準備をしておきます。


(土地関係)
・境界は官民、民々とも全て確定しておくこと
・越境の覚書を締結しておくこと(越境がない場合は不要)

(建物関係)
・インスペクションを受けること
・インスペクションに不合格な場合は修繕を行い合格しておくこと
・瑕疵担保保険を付保しておくこと


上記の準備は面倒ですが、物件を高く売るためにやっておきたい準備でもあります。
必須ではないものの、高く売ることを目指すのなら、面倒くさがらずにきちんと準備を整えておきましょう。

4.まとめ

以上、戸建て売却って本当に面倒!楽に売るには?成功例と注意点も紹介してきました。

戸建ての売却には、境界確定やインスペクション等、準備で面倒な部分があります。
また「うるさい買主」の登場により一気に面倒になってしまうこともあります。

「うるさい買主」の登場については、「一般媒介×HOME4U」の組み合わせで回避することをおススメします。
ものすごく面倒になってしまうかどうかは、売り方次第です。