マンション売却の手数料相場ってどれくらい?その他の費用相場も解説

2019/04/23

首都圏の中古マンションの平均価格は約3,500万円ですので、平均の仲介手数料は111万円程度となります。

確かに、100万円を超す出費というのは高いです。
私立大学の学費や、小型車の新車に近い水準の価格なので、「そんなに高いの!」という感覚があって不思議ではないと思います。

恐らく、「マンション売却 手数料」と検索している人は、
「マンション売却の仲介手数料って高くない?」
「マンション売却の仲介手数料には相場はあるの?」
「マンション売却の仲介手数料は値引できないの?」
等々のことを思っている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、「仲介手数料の相場」や「仲介手数料を値引きするコツ」、「手数料を満額払って高く売る方法」等について解説いたします。
最後までお読みいただき、マンション売却の手数料の理解に役立てて頂けると幸いです。

この記事の筆者:竹内英二 (不動産鑑定事務所:株式会社グロープロフィット代表取締役)
保有資格:不動産鑑定士・宅地建物取引士・中小企業診断士・不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン

 

1.マンション売却で発生する仲介手数料

不動産会社にマンション売却を依頼すると、仲介手数料が発生します。
仲介手数料とは、買主を連れてきた不動産会社に対して支払う手数料のことです。

仲介手数料は、法律用語で媒介報酬という呼び方をします。
仲介やあっせんのことを宅地建物取引業法で「媒介(ばいかい)」と呼んでいます。

この媒介報酬については、宅地建物取引業法により不動産会社が受領出来る報酬の上限が定められているのが特徴です。

報酬上限額は、マンションの取引額(売却額)に応じて以下のように決まっています。

通常、マンションの売却価格は400万円超となることが多いので、上限額である「売却金額×3%+6万円」が適用されます。

例えば、マンションの売却価格が3,500万円なら、111万円(=3,500万円×3%+6万円)が上限額です。

仲介手数料は、あくまで上限額が定められているだけなので、「売却金額×1.5%」や「仲介手数料ゼロ」でも特に問題ありません。
交渉次第では、報酬額を下げることも可能です。

また、仲介手数料は「成功報酬」という性質を持っています。
仲介手数料には、以下に示す媒介報酬3要件を満たしたときに、報酬の請求減が発生するというルールとなっています。

【媒介報酬請求権の3要件】


1.業者と依頼者との間で媒介契約が成立していること
2.その契約に基づき業者が行う媒介行為が存在すること
3.その媒介行為により売買契約等が有効に成立すること


報酬要件のうち、3つ目の「媒介行為により売買契約等が有効に成立すること」という要件が成功報酬であることを性格づけています。

不動産会社は、「要件1.」にあるように単に媒介契約を締結しただけでは仲介手数料をもらうことをできません。

「要件2.」の媒介行為を伴い、「要件3.」の買主を決めることで、はじめて請求権が発生します。

そのため、売買成立までに行う「査定」や「広告」に関しては、不動産会社は売主に一切請求することができません。
「査定」や「広告」に要した費用は、全て仲介手数料の中に含まれます。

また、マンションの売却では「一般媒介契約」という契約形式を利用すると、複数の不動産会社に同時に売却を依頼することも可能です。

一般媒介で売却依頼しても、仲介手数料は買主を決めてくれた1社にのみ支払えば良いので、仲介手数料は何社に頼んでも1社分の費用しか発生しないことになります。
つまり、5社に頼んでも、1社に頼んでも、売主に発生する仲介手数料は同じということです。

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尚、仲介手数料は、「媒介行為により売買契約等が有効に成立すること」で報酬要件が成立します。

そのため、本来的には、売買契約時に不動産会社から100%の仲介手数料の請求を受けても違法ではありません。

しかしながら、仲介手数料の支払は、商習慣で売買契約時に50%、引渡時に50%を支払うことが一般的です。
マンションの売却では、売買契約と引渡のタイミングには1ヶ月ほど時間が空きます。

もし、売買契約時に不動産会社から100%の請求を受けたら、交渉して50%ずつに支払を分けてもらった方が良いでしょう。

引渡までの間にも、不動産会社には色々やってもらうことがあるので、最後まで気を抜かずに手伝ってもらうためにも、売主としては50%分を引渡まで留保しておいた方が無難です。

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2.仲介手数料の相場

仲介手数料は、取引形態によってある程度の相場が形成されています。

仲介手数料は、一般的に買主側は値引き交渉をするのがかなり難しいです。

売主側の値引き交渉に応じる不動産会社は多いですが、買主側からは満額取るような不動産会社が多いです。
ただし、買主側も頑張って交渉すると下げられることはあります

法人がマンション用地のような大きな土地や、大型ビルを売る場合、仲介手数料はゼロの場合も多いです。
法人が扱うような大型物件の売却は、通常、入札形式をとります。

入札の場合は、窓口となる不動産会社が媒介契約を締結しますが、売主から受領する仲介手数料は備忘価格として1円としています。
大型物件の場合、不動産会社は買主から満額でガッツリと仲介手数料を受領します。

中国人投資家は、日本の中で仲介手数料を半額とする相場を形成しています。
中国人はビジネスに厳しい姿勢で臨みますので、仲介手数料もしっかりと交渉し続けた結果、今では半額が当たり前の状況となっています。

最後に、日本人の個人がマンションや戸建てを売却する場合、残念ながら仲介手数料の相場は報酬上限額の満額です。

理由としては、日本人の個人売主は仲介手数料をあまり交渉してこなかったことと、大手不動産会社が値引せず顧客から満額を勝ち取ってきたからだと思われます。

また、個人のマンションや戸建ては、不動産全体の中では取引額は大きな物件とは言えないため、大きな物件を扱っている大手不動産会社は値引きに応じにくいのも原因です。

良いか悪いかは別として、仲介手数料は、よほど強く交渉しない限り、値引きが難しくなっています。

ただし、不動産会社は売主と媒介契約を締結すれば、買主を見つけてきたら買主からも仲介手数料を取ることができます。
売主からも買主からも仲介手数料を取ることを「両手仲介」と呼びます。

そのため、不動産会社にとって最初に売主と媒介契約を締結することはとても価値があります。

仮に売主から仲介手数料を半額しかもらえなくても、買主から満額もらうチャンスが残っているからです。

よって、売主側は、仲介手数料を交渉する余地があります
また、不動産会社によっては、最初から仲介手数料ゼロを謳っている会社もあるくらいです。

マンション売却の仲介手数料相場はあくまでも満額ですが、交渉次第では下げられるものでもあります。

3.不動産会社別に見る仲介手数料の状況

公益社団法人不動産流通推進センターが公表している「2018不動産業統計集」によると、2018年3月の不動産各社の取扱高と手数料収入は以下のようになっています。
手数料率に関しては、「手数料収入」を「取扱高」で割ったものを表示しています。

上表を見ると、手数料率は3%を超えています。
これは、売主からも買主からも手数料を取る両手仲介も含まれているためです。

両手仲介は、必ずしも毎回行われるわけではありません。
買主を別の不動産会社が連れて来ると、片手仲介となり、最大で「3%+6万円」しか受領できないことになります。

大手の不動産会社の中には、手数料率が5%台となっている会社もあります。
5%台だと、両手仲介の割合もかなり多く、かつ、値引きもかなり少ないということが見て取れます。

ここでポイントとなるのが、不動産会社にも仲介手数料の交渉をしやすい会社としにくい会社があるという点です。

一般的には、大手の仲介会社は手数料の値引きが難しく、中小の不動産会社ほど値引きはしやすい傾向にあります。
ただし、中小でも営業マンのノルマが厳しい会社は値引きしにくいです。

仲介手数料の相場や値引き可能性については、選ぶ不動産会社によっても難易度が異なるということになります。

4.仲介手数料の計算方法

この章では仲介手数料の計算方法について解説します。

4-1.「3%+6万円」の理由

仲介手数料は、「売買金額×3%+6万円」ですが、この「+6万円って何?」と気になる人も多いと思います。

国土交通省告示では、仲介手数料を以下のような定め方をしています。


取引額200万円以下の部分 取引額の5%
取引額200万円超400万円以下の部分 取引額の4%
取引額400万円超の部分 取引額の3%


上記の定め方を図式化すると、以下のような階段状の図で表現ができます。

では、400万円超の物件はどのように表現されるかというと、以下のような「黄」、「赤」、「青」の部分の合計額が仲介手数料ということになります。

まず、「黄」部分の面積は「売買金額×3%」です。
次に「赤」部分の面積は「200万円×2%=4万円」となります。
最後に「青」部分の面積は「200万円×1%=2万円」です。

すると、「黄」、「赤」、「青」の部分の面積を合計することで、400万円超の仲介手数料は以下のように計算されます。


仲介手数料 = 「黄」 + 「赤」 + 「青」
      = 「売買金額×3%」 + 「4万円」 + 「2万円」
      = 売買金額×3%+6万円


6万円という変な数字は、仲介手数料の報酬上限額が階段状に定められているために発生している端数ということです。

4-2.「400万円以下」の手数料

マンションでも、地方の物件となると400万円以下の物件も存在します。
400万円以下の物件を売却する場合、現在では不動産会社は最大18万円まで要求できることになっています。

これは、2018年1月1日以降より国土交通省の告示が改正され、400万円以下の低廉な空き家等に関しては、不動産会社は媒介報酬に加え、現地調査等の費用を受領することができるようになったためです。

つまり、400万円以下のマンションを売却したときの手数料は以下のようになります。

【売主から受領出来る報酬】


不動産会社の手数料 = 従来の報酬 + 現地調査等の費用 <=18万円


従来の報酬は、例えば200万円の物件なら仲介手数料は10万円(=200万円×5%)でした。
それに現地調査等の費用として8万円を加えて請求できるようになったのが、2018年1月以降の規定です。

この改正は、仲介手数料があまりにも安いと不動産会社がやる気を失ってしまうため、少しでも報酬を増やすことで、安い物件を売りやすくすることを狙った改正になります。

尚、この規定はあくまでも売主から受領する手数料のみにしか適用されません。
買主からの手数料に関しては、従来の速算式に基づく手数料が上限額のままです。

【関連記事】

仲介手数料の計算式エクセル「3%+6万円」や「400万円以下」・消費税も解説

4-3.仲介手数料と消費税

仲介手数料には、消費税が発生します。
例えば消費税が10%として、売買金額が4,000万円のマンションの場合、以下のように計算されます。

【消費税10%の場合】


仲介手数料(税抜) = 4,000万円 × 3% + 6万円
         = 120万円 + 6万円
         = 126万円

税込仲介手数料 = 126万円 × 110%
        = 138.6万円


ここで、仲介手数料の計算の元となる売買金額は税抜価格であることがポイントです。

個人が売主の場合、マンション売却価格そのものには消費税は発生しません。
そのため、個人売主の場合は、売買金額にそのままストレートに料率を乗じて仲介手数料を計算します。

一方で、消費税の課税業者である法人等が売主の場合、マンション売却価格の中に建物消費税を含みます。

そのため、法人売主の場合は、売買金額の中から建物消費税を控除した金額に料率を乗じて仲介手数料を計算する必要があります。

法人や個人事業主が売主の場合の仲介手数料計算については、以下の記事に詳しく記載しています。
ぜひご参照ください。

【関連記事】

マンション売却の消費税!法人や個人事業主で使える按分計算エクセル

5.仲介手数料の値引き交渉のコツ

マンションの売却では、仲介手数料の話が一切出ずに、売却活動がどんどん進められることが多いです。

昔は、不動産会社との間で媒介契約書も締結せずに、売却活動を進め、買主との売買契約を締結するのと同時に不動産会社との間で媒介契約を締結するのが普通でした。
今でも売買契約時に初めて媒介契約書を締結する不動産会社は多いと思います。

売主としては、「一体、仲介手数料の話はいつ出てくるのだろう」と不安を覚えるのですが、売買が決まって時点で、ドンと提示されることが良くあります。

このタイミングで提示されてしまうと、売主としては、仲介手数料が値引きしにくい雰囲気になります。

売却が決まるまで、不動産会社には色々頑張ってもらったため、せっかく決まったのに仲介手数料を値引きするのは忍びないからです。

不動産会社は売却が決まるまで手弁当で頑張ってくれるため、仲介手数料は後になるほど値引きしにくくなる性質を持っています。

そのため、仲介手数料を値引きするコツは、依頼する時点が一番効果的です。
簡単に言うと、「仲介手数料を半額にしてくれたら、御社に媒介を依頼します。この条件で受けてくれますか?」という交渉方法です。

もし、このタイミングで「無理です」となれば、「それなら他社に依頼します」という対応を行い、こちらからお断りすることになります。
交渉というよりは、条件に合う不動産会社をひたすら探すという方法です。

家電量販店で値引き交渉をした経験のある人もいると思いますが、値引き交渉は買う前が一番行いやすいという性質があります。
「買います」と言ってしまってから値引き交渉しても、なかなか上手く行きません。

「あと1割値引きしてくれたら買います!」と値引き条件を先に出した方が、話は通りやすいです。

媒介契約もそれと同じで、依頼してしまった後に交渉しても上手く行きません。
もし、値引き交渉したいのなら、依頼前に交渉し、その条件を応諾してくれる不動産会社を探すことがコツとなります。

【関連記事】

仲介手数料って高い!不動産売却で手数料を値引きする10個の方法教えます

6.その他の費用

マンション売却の費用は、仲介手数料も含めるとトータルで売却価格の3.5%くらいです。
仲介手数料は、マンション価格が400万円超だと上限額は「売却金額×3%+6万円」ですので、マンション売却の費用のうち、ほとんどが仲介手数料になります。

その他は基本的に細かい費用となりますが、この章では仲介手数料以外にマンション売却で発生する費用について解説します。

6-1.印紙代

不動産の売買契約書は、印紙が必要です。
印紙税の金額は、売買契約書に記載されている金額によって異なります。
契約書に記載する売買金額と印紙税の金額は以下通りです。


契約書に記載する売買金額     貼付する印紙税
1万円未満            非課税
1万円以上50万円以下       200円
50万円超100万円以下         500円
100万円超500万円以下      1,000円
500万円超1,000万円以下     5,000円
1,000万円超5,000万円以下    10,000円
5,000万円超1億円以下      30,000円
1億円超5億円以下        60,000円
5億円超10億円以下        160,000円
10億円超50億円以下      320,000円
50億円超             480,000円
金額の記載のないもの       200円


マンションの相場から言って、「1,000万円超5,000万円以下の1万円」や「5,000万円超1億円以下の3万円」が貼られるケースが多いです。
印紙代は、1万円または3万円あたりといったところでしょう。

6-2.ハウスクリーニング費用

住みながらマンションを売却する場合には、内覧対応を行います。
内覧とは、物件に興味を持った購入希望者に対し、家の中を見せてあげる販売活動です。

マンション売却では、内覧前にハウスクリーニングを実施して、購入希望者に家を綺麗に見せる工夫をする人もいます。

あくまでも実施するのは任意ですが、比較的昔から知られている売却テクニックですので、実施する人は多いです。

また、このハウスクリーニング費用は、不動産会社との媒介契約締結後に実施したものであれば、売却時の税金計算をする際の費用として認めてもらうことができます。
そのため、全く無駄になるものではありません。

ハウスクリーニングの相場としては、以下のような金額感となります。

ハウスクリーニングを実施する人は、特に水回りを重点的に行います。
費用に関しては、どの部分を実施するかによって異なりますが、マンション売却をする人は概ね5~6万円かけてハウスクリーニングを実施する人が多いです。

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6-3.インスペクション費用

インスペクションとは、既存住宅の基礎、外壁等の部位ごとに生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の有無を目視、計測等により行う調査のことです。

インスペクション(inspection)には、「点検・検査・精査」といった意味があり、日本語では建物状況調査と呼ばれます。

2018年4月1日以降の売却では、不動産会社と媒介契約の締結をした際、インスペクションの説明や実施希望の確認等が行われるようになっています。
インスペクションの実施も任意です。

インスペクションを希望すれば、不動産会社がインスペクター(既存住宅状況調査技術者)を紹介してくれます。

マンションの場合、インスペクション費用の相場は5万円程度です。

マンションでインスペクションをやるべきかどうかは、悩む部分ではなります。

1つの答えとしては、「築25年超で、かつ、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築されたマンション」に関しては、インスペクションを実施することをおススメします。

理由としては、築25年超のマンションは、そのまま売っても買主が住宅ローン控除を利用できないからです。

築25年超のマンションで住宅ローン控除を適用できるようにするには、「瑕疵(かし)担保保険(「既存住宅売買瑕疵保険」の略)」を付保することが必要です。

瑕疵担保保険とは、住宅の特定部分の隠れた瑕疵が見つかった場合に生じる補修費用などの経済的な負担を保険金でカバーすることができる保険になります。
瑕疵とは、売買契約の目的物が通常有すべき品質・性能を欠くことをいいます。

瑕疵担保保険を付保するには、以下の2つの要件を満たすことが必要です。

【瑕疵担保保険の付保要件】


1.新耐震基準に適合している建物であること
2.インスペクション(建物状況調査)に合格していること


新耐震基準とは、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請を通した建物を指します。

「築25年超で、かつ、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築されたマンション」は、インスペクションに合格しさえすれば、瑕疵担保保険に加入することができます。

瑕疵担保保険は、引渡までの間に買主側で付保することもできますので、インスペクションに合格しているだけでも、かなり価値があります。

尚、昭和56年(1981年)5月31日以前のマンションでも、耐震基準に適合しているマンションであれば、やはりインスペクションに合格すれば瑕疵担保保険に加入できます。

築25年超で、かつ、耐震基準に適合しているマンションであればインスペクションを積極的に実施することをおススメします。

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6-4.瑕疵担保責任保険費用

売主側で瑕疵担保保険まで付保しておくと、非常に売却しやすくなります。
築25年超のマンションは、瑕疵担保保険を付保して売却すると、買主が住宅ローン控除を適用できる他、登録免許税の軽減も受けることができます。

もちろん、瑕疵担保保険も任意です。

瑕疵担保保険には、保証期間と保証金額の組み合わせに3種類があります。


1.保証期間が1年で保証金額が500万円までのもの
2.保証期間が1年で保証金額が1,000万円までのもの
3.保証期間が5年で保証金額が1,000万円までのもの


保証期間とは、住宅の引渡の日からの期間です。
保証金額とは、「補修費用、事故調査費用、転居・仮住まい費用」を含みます。

瑕疵担保保険の保険料は、保証期間と保証金額、専有面積によって以下のような金額が相場です。

瑕疵担保保険は、売却時に付保されていれば住宅ローン控除等の要件を満たすため、一番安い「保証期間が1年で保証金額が500万円までのもの」を付保するのでも構いません。

瑕疵担保保険まで付保しておけば、売却対策としてはほぼ完璧です。
インスペクションに合格したら、瑕疵担保保険の付保も是非検討してみましょう。

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6-5.抵当権抹消登記登録免許税

売却時に住宅ローン残債が残っている人は、抵当権の抹消を行います。
抵当権の抹消とは、引渡と同時に住宅ローンを完済し、登記簿謄本から抵当権の登記内容を削除することを指します。

抵当権の抹消には、「抵当権抹消登記登録免許税」「司法書士手数料」の2つが必要です。

抵当権抹消登録免許税は、不動産1個に対し、「1,000円」になります。
土地1つと建物1つの2つの不動産で構成されているマンションであれば、登録免許税は2,000円となることが一般的です。

6-6.司法書士手数料

抵当権抹消を司法書士に依頼すると、司法書士手数料も発生します。
日本司法書士連合会が公表している「司法書士の報酬アンケート」では、抵当権抹消の司法書士費用の目安が以下のように示されています。

6-7.税金

マンションを売却して、譲渡所得が発生した場合には、所得税および住民税、復興特別所得税の税金が発生します。

譲渡所得は以下の式で計算されるものになります。


譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用


譲渡価額とは売却額です。
取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。
譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

一般的に、マンション売却では、譲渡価額は取得費よりも安くなるため、税金は発生しないことが多いです。

税金の発生の有無が知りたい人は、以下の記事をご参照ください。

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7.手数料を満額払って高く売る方法

不動産会社も百戦錬磨ですので、仲介手数料の値引きは、正直、結構難しいです。
仲介手数料を値引きするなら、決死の覚悟で不動産会社に挑まなければなりません。

不動産会社とやりあって険悪な雰囲気となるよりは、満額を支払い、良い内容の無料オプションサービスを付けて高値の売却を目指すことをおススメします。

仲介手数料は、売却額のたった3%程度ですので、ある意味、消費税よりもずっと安いです。

仲介手数料にこだわるくらいなら、満額払ってでも良い無料サービスによって、高く売却した方が売主にとっては得といえます。

近年、不動産会社は満額請求との引き換えに、様々なオプションサービスを付加するようになりました。

中には、内容が良くマンションも高く売却できるようなサービスもあるため、下手に仲介手数料を値引きするよりは、満額支払ってでもオプションサービスを受けた方が総合的に得となる場合があります。

前章で解説した費用の中で、「ハウスクリーニング」や「インスペクション」、「瑕疵担保保険」等は、実施するとマンションを高く売却することができます。

不動産会社の中には、仲介手数料を満額支払う代わりに、無料でインスペクション等を実施してくれる会社もあります。
例えば、大手の不動産会社が提供しているサービスは、以下のような内容です。

特に、三井住友トラスト不動産は、築30年以内のマンションであれば「建物状況調査サービス・瑕疵保険サービス」を利用することができますのでおススメです。

築25年超~築30年以内のマンションを売却するのであれば、是非とも利用したいサービスといえます。

尚、上記で紹介した不動産会社は、オリコンが公表している「実際の利用者が評価した、オリコン顧客満足度ランキング(マンション編)」の上位TOP5の会社です。

以下にランキングを示しますが、赤字で表記されている会社は、NTTデータグループが運営するHOME4Uという一括査定サイトに登録されている企業になります。

マンション売却で査定を依頼するなら顧客満足度ランキング上位の会社が集中して登録されているHOME4Uがおススメです。

「すまいValue」という一括査定サイトと比較すると、「HOME4U」の方がマンション売却で顧客満足度が上位の不動産会社が登録されていることが分かります。

もし、仲介手数料を満額支払うのであれば、これらの顧客満足度上位ランキングの会社から、不動産会社を選んだ方が絶対お得です。

これから査定を取るのであれば、HOME4Uを使って不動産会社を選ぶようにしてください。

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8.まとめ

以上、マンション売却の手数料相場ってどれくらい?その他の費用相場も解説してきました。

マンションの仲介手数料の相場は「売却金額×3%+6万円」です。
もし値引きするなら依頼前に仲介手数料を握ってしまうことがコツです。

満額支払うのであれば、良い内容のオプションサービスを提供している不動産会社を選び、高く売却するのを目指すのが良いでしょう。

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