「マンション売却 専任 一般」のような検索をしている人は多いようです。
マンション売却では専任か一般か、どちらを選ぶべきか迷っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
マンションは、良い物件ほど「一般」を選択すべきですし、また売れない物件ほど「一般」を選択すべきです。
すると、「専任」は選ばれる余地がない気もします。
しかしながら、場合によっては「専任」を選択した方が良いケースがあることも事実です。
そこで、この記事ではマンション売却では「専任か一般かどちらを選ぶべきか」について解説します。
この記事を読むことで、あなたは自分のケースに当てはめて専任か一般かどちらを選ぶべきか分かるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事の筆者:竹内英二 (不動産鑑定事務所:株式会社グロープロフィット代表取締役) 保有資格:不動産鑑定士・宅地建物取引士・中小企業診断士・不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士・賃貸不動産経営管理士・不動産キャリアパーソン |
目次
1.一般と専任の違い
不動産会社に仲介を依頼する契約を媒介契約と呼びます。
媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。
一般媒介契約とは、複数の不動産会社に重ねて媒介を依頼することができる媒介契約です。
専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社の不動産会社にしか仲介を依頼できない契約になります。
専任媒介契約と専属専任媒介契約の違いは、自己発見取引をできるかどうかです。
自己発見取引とは、売主が自分で買主を探してくることを指します。
自己発見取引はできるのが専任媒介契約で、自己発見取引すら禁止されているのが専属専任媒介契約です。
この記事では、専任媒介契約と専属専任媒介契約を「専任媒介等」と表現します。
一般媒介と専任媒介等の違いを概念図で比較すると以下の通りです。
仮に、不動産会社は1社あたり2人の買主を連れてくることができると仮定します。
すると、一般媒介で4社に依頼したら8人の買主が見つかります。
専任媒介等では、買主は2人しか見つかりません。
買主が見つかる確率は、専任媒介等よりも一般媒介の方が高くなります。
また、不動産会社へ支払う仲介手数料は、成功報酬ですので、最終的に買主を決めた1社にのみに支払うことになります。
よって、一般媒介で複数の不動産会社に依頼しても、専任媒介等で1社の不動産会社に依頼しても、売主が負担する費用は同じです。
同じ費用で、買主の見つかる確率が高いのであれば、専任媒介等よりも一般媒介の方が有利といえます。
そのため、売主にとっては、一般媒介の方が有利であることが基本的な原則です。
一般媒介は、売却しやすい物件で選択すればより良い条件で売却できますし、売却しにくい物件で選択すれば買主が見つかる可能性を上げてくれます。
一方で、専任媒介等が有利となるのは、あくまでも例外的な場合です。
専任媒介等は自ら売却の可能性を狭めてしまう選択であるため、売主に明確なメリットがあるときのみ利用することをおススメします。
2.一般媒介の特徴
この章は一般媒介の特徴について紹介します。
2-1.一般媒介のメリット
一般媒介のメリットは以下の通りです。
- 早く売れる
- 不動産会社選びの失敗が減る
- 囲い込みリスクがない
1つ目は、早く売れるという点です。
一般媒介となると、仲介手数料は早い者勝ちとなります。
不動産会社は仲介手数料を得るために、各社、「我先に」と買主を決めようとします。
不動産会社同士で競争が発生しますので、売却までのスピードは必然的に上がります。
2つ目は、不動産会社選びの失敗が減るという点です。
一般媒介では、複数の不動産会社に依頼しますので、中には良くない不動産会社が混じる可能性はあるものの、良い不動産会社にも依頼できます。
1社に絞るということは、選ぶ失敗のリスクを負うことです。
複数社に依頼できれば、選ぶ失敗のリスクは大幅に緩和されます。
良い不動産会社を選ぶというのはとても難しいことなので、選ぶのが不安な人であれば一般媒介を選択するのが良いでしょう。
3つ目は、囲い込みリスクがないという点です。
囲い込みとは、他の不動産会社が買主を紹介してきても断わる行為です。
不動産会社は専任媒介等を契約すれば、売主からは確実に仲介手数料を取ることができます。
しかも、自力で買主を見つけてくれば、買主からも仲介手数料を取ることができます。
売主と買主の両方の仲介を行うことを両手仲介と呼びます。
両手仲介となれば、不動産会社にとって手数料は2倍です。
両手仲介を狙う場合、他の不動産会社からの客付の申出が邪魔になります。
他の不動産会社に買主の客付をされてしまうと、買主からの仲介手数料はもらえないからです。
例えばA社に専任媒介で売却を依頼したとします。
もしB社から「この物件買いたい人がいるのですが、紹介しても良いですか?」と申出があった場合、B社の申出を受けてしまうと買主の仲介手数料がB社に取られてしまいます。
すると、A社は両手仲介ができなくなってしまうため、B社の申出を断ってしまうことがあります。
このような行為を「囲い込み」と呼びます。
囲い込みの状況では、仮に、B社が4,500万円で買う買主を見つけていたとしても、A社が自分で見つけてきた4,300万円の買主で契約を進めてしまうことが起こり得ます。
一般媒介であれば、売主自ら複数の不動産会社に情報拡散できますので、囲い込まれる心配はありません。
囲い込みは、良い物件ほど起こりがちですので、条件の良い物件ほど一般媒介を選択すべきなのです。
2-2.一般媒介のデメリット
一般媒介のデメリットは以下の通りです。
- 同じことを何社にも伝える手間が増える
- 仲介手数料は値引きしにくい
- 不動産会社の提供する各種サービスを受けられない
1つ目は、同じことを何社にも伝える手間が増えるという点です。
そもそも、複数の不動産会社に依頼すること自体が面倒と感じる人も多いと思います。
一般媒介で依頼するには、不動産の一括査定サイトを利用するのが一番相性は良いです。
不動産の一括査定サイトは、一般媒介の依頼のツールとして利用するのが賢い使い方といえます。
2つ目は、仲介手数料は値引きしにくいという点です。
一般媒介は売主にとっては有利な契約ですが、不動産会社にとっては不利な契約になります。
不利な契約なので値引きにはなかなか応じてくれません。
一般媒介での仲介手数料の値引きは、期待しない方が良いでしょう。
3つ目は、不動産会社の提供する各種サービスを受けられないという点です。
近年は、不動産会社が専任媒介等を条件に、様々な無料サービスを提供するようになりました。
中には、非常にお得で魅力的なサービスもあります。
自分にとって有益なサービスがあれば、そのサービスを受けることを目的に、専任媒介等を選択することもアリです。
3.特に一般で依頼した方が良い2つのケース
専任媒介等と一般媒介では、基本的には一般媒介の方が有利です。
迷った場合には、基本的には一般媒介を選ぶことをおススメします。
この章では、特に一般で依頼した方が良い2つのケースについてご紹介します。
3-1.早く売りたい場合
早く売りたい場合は、一般媒介を選択すべきです。
一般媒介になると、仲介手数料は早い者勝ちとなるため、最初の1~2ヶ月目に不動産会社はワーッと買主を連れてきます。
1社にじっくり売却させるよりも、人海戦術で複数社に売却させた方が、当然、早く売却できる確率は高まります。
また、複数社が競争となることで、値引き防止の効果も生まれます。
例えば、4,000万円で売りに出した物件が、A社が3,900万円の買主を連れてきたとしても、B社が満額の4,000万円買主を連れてくる可能性はあります。
一般媒介は、良く「早く高く売れる」と言われますが、「高く売れる」というのは「値引きが少なくなる」という意味で言われていることが多いです。
値引きは物件の状況や売出価格の設定で決まるため、必ずしも一般媒介だから値引きを受けないとまではいえません。
ただし、早く売れる」確率が高まることは事実です。
早く手放したい人は、一般媒介を選択するのが良いでしょう。
3-2.良い条件の物件を売る場合
良い条件の物件を売る場合は一般媒介を選択すべきです。
良い物件とは、例えば以下のような条件を全て満たすような物件です。
- 査定価格が4,000万円以上である。
- 駅から5分以内である。
- 築20年以内である。
良い物件は、どんな不動産会社が売却しても、すぐに売却できます。
せっかく良い物件ですので、1社に絞るのはもったいないです。
不動産会社を一般媒介で競争させた方が値引きされることなく、早く売れます。
良い物件の場合、専任媒介等では、「本当はもっと高く売れたのではないか?」と疑問が残ることがあります。
一般媒介で公明正大に売却すれば、売却までのプロセスも透明性が確保できますし、納得感が得られます。
満足いく売却を行うためにも、良い物件ほど一般媒介で売却するのが良いでしょう。
4.専任媒介の特徴
この章では専任媒介の特徴について紹介します。
4-1.専任媒介のメリット
専任媒介のメリットは以下の通りです。
- 不動産会社の提供する各種サービスを受けられる
- 相手が1社だけなので手間が少ない
- 仲介手数料を値引きできる場合もある
1つ目のメリットは、不動産会社の提供する各種サービスを受けられるという点です。
各種サービスには、「設備修繕」や「ハウスクリーニング」、「インスペクション(建物状況調査)」、「瑕疵担保保険の付保」、「荷物一時預かり」、「買取保証」、「つなぎ融資」等があります。
なぜ、このようなサービスが色々ついているかというと、専任媒介等は不動産会社にとって有利な契約だからです。
各種サービスは専任媒介等ならではのメリットですので、専任媒介等を利用する場合には、
これらのサービスを良く調べて不動産会社を選択することをおススメします。
2つ目は、不動産会社の相手が1社だけなので手間が少ないという点です。
これは一般媒介のデメリットを補う形になります。
3つ目は、仲介手数料を値引きできる場合もあるという点です。
専任媒介等は不動産会社にとって有利な契約であるため、専任媒介等を交渉条件として仲介手数料を値引くことは良く行われます。
ただし、交渉のタイミングはあくまでも専任媒介等の契約の前です。
仲介手数料の値引交渉は難しく、契約を締結した後だと成功確率は低くなってしまいます。
交渉するなら、専任媒介等を交渉条件として契約前に行うのが良いでしょう。
4-2.専任媒介のデメリット
専任媒介のデメリットは以下の通りです。
- 不動産会社選びに失敗することがある
- 囲い込みリスクがある
- 契約期間中に解除しにくい
1つ目は、専任媒介等は不動産会社を1社に絞ってしまうため、不動産会社選びに失敗するリスクがあるという点です。
不動産会社選びに失敗してしまうと、媒介契約の期間中はその不動産会社の能力に縛られてしまうことになります。
2つ目は、囲い込みリスクがあるという点です。
一般媒介なら囲い込みリスクを防げます。
3つ目は、契約期間中に解除しにくいという点です。
専任媒介等は契約期間中に解除しようとすると、違約金等を請求される可能性があります。
専任媒介等の契約期間は通常3ヶ月です。
不動産会社選びに失敗したと思っても、3ヶ月は我慢することが必要となります。
~コラム:レインズとは~
レインズ(REINS:Real Estate Information Network System)とは宅地建物取引業者専用のネットワークシステムです。
一般の人は見ることができません。
レインズは、不動産会社間が物件情報を共有しあうことで、迅速な取引を実現することを目的としたシステムです。
ただし、これはレインズが存在する表向きの理由です。
レインズが存在する本当の理由は、専任媒介等による情報の囲い込みを防止するために存在します。
レインズで他の不動産会社に強制的に情報公開が行われれば、情報が囲い込まれるリスクが少なくなるからです。
レインズは、専任媒介等の制度ができたと同時に創設されました。
不動産会社には、専任媒介契約を締結したなら7日以内、専属専任媒介契約を締結しなら5日以内にレインズへ物件情報の登録をしなければならないという決まりがあります。
一般媒介にはレインズへの登録の義務はありません。
一般媒介は、売主によって複数の不動産会社に情報をバラまくことができるため、そもそも囲い込まれるリスクがないためです。
たまに、専任媒介等の説明でレインズへの登録義務や売主への報告義務があることをメリットとして挙げる人がいますが、それはメリットでも何でもありません。
専任媒介等は、構造上、どうしても売主に不利な契約となってしまうため、レインズというシステムによって、少しでも不利な状況を緩和するようにしているのです。
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5.専任で依頼した方が良い5つのケース
専任媒介で依頼した方が良いのは以下の5つのケースになります。
1.付加価値サービスを利用する場合
2.買取保証を利用する場合
3.つなぎ融資を利用する場合
4.仲介手数料を値引きしたい場合
5.近所に知られたくない場合
5-1.付加価値サービスを利用する場合
昨今、不動産会社は専任媒介等を条件に様々な無料の付加価値サービスを提供しています。
付加価値サービスを利用する場合は、専任媒介等の契約が前提です。
無料の付加価値サービスには、例えば「設備修繕」や「ハウスクリーニング」、「インスペクション(建物状況調査)」、「瑕疵担保保険の付保」、「荷物一時預かり」等のサービスがあります。
専任媒介等の契約をすると、無料付加価値サービスのうち、どれか一つを利用が可能です。
例えば、家が古くて汚いときは、「ハウスクリーニング」をサービスしてくれる会社と専任媒介等の契約をすれば、無料で「ハウスクリーニング」をしてもらえます。
無料の付加価値サービスは、不動産会社によって提供しているサービスが様々です。
付加価値サービスは、自分のマンションの状況に合わせて最適なサービスを選択するようにしてください。
また、不動産各社は設備について無料の修繕サービスを実施しているところも多いです。
代表的な不動産会社の設備修繕サービスには、以下のものがあります。
- 「野村の仲介+」:あんしん設備補修
- 「三井住友トラスト不動産」:住宅設備修理サポート
- 「近鉄不動産」:住宅設備保証サービス
- 「住友林業ホームサービス」:あんしん保証付仲介システム
- 「大成有楽不動産販売」:マンションリペア
不動産会社の提供しているサービスについては、以下の記事で詳しく記載しています。
ぜひご参照ください。
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5-2.買取保証を利用する場合
買取保証を利用する場合は、専任媒介等の契約が前提となります。
買取保証とは、一定期間、仲介による売却を行い、それでも売却できなかったら不動産会社が買い取ってくれるサービスです。
買取保証は、売れない不動産を確実に売る方法であり、使い方次第では効果的な売却方法となります。
買取保証は、仲介による販売期間(これを保証期間と呼びます)のうちに売却できれば、高く売却することができます。
ただし、仲介にはいつ・いくらで売れるか分からず、売却が長引いてしまうというデメリットがあります。
そこで、期限を決めて、仲介が駄目なら最終的に不動産会社が買い取ってくれるのが買取保証です。
不動産会社は、買い取った後転売しますので、買取金額は市場価格の80~90%程度となります。
最終的な買取金額は安くなってしまうものの、売却を確実に終わらせることができる点がメリットです。
買取保証は「特に急いでいないけど、最終的には確実に売却したい」という人に向いています。
例えば、離婚で不動産を売却する人や相続した不動産を処分したい人など、特に急いでいないけど、最終的に決着をつける必要がある場合には、買取保証が適しています。
買取保証については、以下の記事で詳しく記載しています。
ぜひご参照ください。
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5-3.つなぎ融資を利用する場合
つなぎ融資を利用する場合は、専任媒介等の契約が前提となります。
つなぎ融資とは、買い替えにおいて購入物件の支払いが売却物件の入金よりも先に来た場合など、一時的な資金不足を解消するために利用できるローンです。
買い替えには、売却を先に行う「売り先行」と購入を先に行う「買い先行」という2つの方法があります。
現在のマンションの住宅ローンが残っている人は、基本的に売り先行を選択します。
住宅ローンが残っている人が買い先行を選択してしまうと、売却物件の住宅ローンと購入物件の住宅ローンが二重に発生するからです。
ところが、実際の売却では売却よりも購入が先に決まってしまうこともあります。
先に購入が来てしまうと、当初予定していた資金繰りが狂います。
そのようなとき、先行して売却予定額の一部を借り、その後、売却できたら借りた金額を一括返済すれば良いという融資がつなぎ融資です。
つなぎ融資は、買い替えのタイミングのズレを柔軟に調整してくれるため、買い替えを行う人にとっては便利な融資になります。
これから買い替えを行う人は、つなぎ融資を検討してみるのも良いでしょう。
つなぎ融資については、以下の記事で詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。
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5-4.仲介手数料を値引きしたい場合
仲介手数料を値引きしたい場合は、専任媒介等の方が値引しやすいです。
ただし、前節まで紹介した不動産会社の「付加価値サービス」や「買取保証」、「つなぎ融資」を利用する場合には、仲介手数料は値引できません。
「付加価値サービス」等を利用せず、単純に仲介手数料を値引きしたい場合には、専任媒介等を交換条件として値引交渉する方法はあります。
不動産会社は専任媒介等を契約すれば、売主側からの仲介手数料はほぼ確実にもらえる状況となるため、不動産会社にとって有利な契約です。
そのため、専任媒介等を条件に仲介手数料を無料にする不動産会社もあります。
仲介手数料が無料の会社は、専任媒介等を条件とし、買主から仲介手数料をもらうというビジネスモデルになっています。
無料にする会社もいるくらいですので、値引できる可能性は十分にあるのです。
しかしながら、仲介手数料は高々3%です。
交渉に失敗して大して値引きができないようであれば、「付加価値サービス」等を利用して、きちんと高く売却した方が得な場合もあります。
仲介手数料の値引きは、不動産会社が一番やる気をなくす原因にもなりますので、慎重に行うようにしてください。
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5-5.近所に知られたくない場合
近所に知られたくない場合も、専任媒介等が適しています。
マンション売却では、ご近所トラブルや離婚による売却など、売却していることを近所に知られたくないことがあります。
通常の売却では、チラシやインターネット広告等を行いますが、近所に知られたくない場合は、不動産会社に依頼してチラシ等を控えてもらいます。
残念ながら、広告等を控えると、物件売却はスムーズには進みません。
しかしながら、専任媒介等であれば、不動産会社は強制的にレインズに物件掲載することになります。
レインズは不動産会社しか見ることができないため、近所の人が売却していることを知ることはできません。
ただ、レインズは全国の不動産会社が物件情報を見ることができますので、売却物件であることを不動産会社に対しては広く認知させることが可能です。
レインズで認知されれば、別の不動産会社が買主を見つけ、スムーズに売却が進むことがあります。
不用意に情報を拡散させず、かつ、プロの不動産会社には確実に情報を届けることができるのが、専任媒介等によるレインズのメリットです。
近所に知られずに売却したい場合には、確実にレインズへ情報を掲載してもらえる専任媒介等を選択するのが良いでしょう。
6.専任で依頼するときのポイント
専任媒介等は、自ら売却の機会を狭めることになるため、最終的には自己判断で責任をもって選択をするようにしてください。
専任媒介等で依頼するときのポイントは、不動産会社に緊張感を持たせるという点です。
具体的には、専任媒介等の契約期間満了時まで売却できなかった場合、不動産会社を変えるつもりであると伝えておくことがポイントです。
専任媒介等の契約期間は、法律で最長3ヶ月と定められています。
通常、専任媒介等の契約期間は最長の3ヶ月で定められていることが多いです。
専任媒介等は、契約期間内に契約解除をしようとすると、違約金等を請求される可能性があります。
専任媒介等は途中で解除したいと思っても、契約が満了するまでは待っておいた方が良いです。
専任媒介等の契約期間は自動更新されることはありませんが、再契約すると、また3ヶ月の間、実質的に解除できなくなります。
再契約できたら、不動産会社は再びのんびりと売却することができてしまいます。
よって、不動産会社に不満がある場合には、専任媒介等の契約満了時点で他の不動産会社に切り替えることがポイントです。
一方で、不動産会社は3ヵ月後に契約を切られてしまうと、今まで投じた費用が全て水の泡になります。
そのため、3ヵ月後に再契約できないことを知ると、なんとか必死になって買主を決めようと努力をします。
不動産会社にも「次はない」と思わせておけば、緊張感が生まれますので、売却がスムーズに進むようになります。
専任媒介等では緊張感を持たせ、なんとか3ヶ月以内で売却してもらうようにしましょう。
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7.一般で依頼するときのポイント
一般媒介で依頼するときのポイントは、非明示型で依頼するという点です。
一般媒介契約には、明示型と非明示型というものがあります。
明示型とは、他に依頼する不動産会社を明らかにする方式です。
例えば、A社とB社、C社に依頼する場合、A社には「B社とC社にも依頼します。」と開示しておかなければならないのが明示型になります。
一方で、非明示型とは他に依頼する不動産会社を明らかにしない方式です。
例えば、A社とB社、C社に依頼しても、A社にはB社やC社の存在を開示する必要はありません。
非明示型で依頼しておけば、後から簡単に不動産会社を追加することができるため、一般媒介のメリットをさらに引き出すことができます。
明示型でも、他社に明示すれば後から追加することはできますが、黙って追加した他社が成約してしまったときは、明示義務違反となり費用償還の請求対象となってしまいます
「うっかり言うのを忘れた」というミスを避けるためにも、最初から非明示型にしておき、依頼の柔軟性を高めるようにしておきましょう。
尚、一般媒介の標準的な契約書は、「明示型」となっていることがほとんどです。
意識して変更しないと非明示型には変わりません。
契約の際は、非明示型に変えることを注意しておきましょう。
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8.買主にとっては専任や一般よりも価格の方が重要
売主にとっては、専任や一般は迷うところではありますが、買主からすると、専任や一般というのは重要な情報ではありません。
買主にとっては専任や一般よりも価格の方が重要です。
買主は、パッと価格を見て、「なんか高いな」というだけで検討を終えてしまいます。
専任媒介等や一般媒介を気にするまでもなく、売出価格が高過ぎればそれ以上検討してくれません。
「一般媒介の方が早く売れる」等の効果の違いは、売出価格が適正であることで、はじめて生じます。
良く「専任で不動産会社選びに失敗したから売れない」と考える人もいますが、専任とか一般の以前に、価格が高過ぎることが売れない原因となっていることが多いです。
まずは売れる価格で売り出すことを意識することが重要となります。
複数の不動産会社から査定を取った場合、高過ぎる査定額は売れない可能性があります。
このような高い査定価格は売出価格の価格設定根拠から排除するようにしてください。
複数の不動産会社から査定を取ると、似たような金額で出てくる価格帯がありますが、その価格帯こそがきちんと売れるストライクゾーンの価格です。
ストライクゾーンの価格を見極めるためにも、査定は必ず複数の不動産会社から取るようにしてください。
マンション査定なら、一括査定サイトの中でHOME4Uがおススメです。
HOME4Uは、マンション売却が得意な不動産会社が多く揃っていますので、適切なストライクゾーンの把握が可能となります。
そのまま一般媒介や専任媒介等で依頼しても大丈夫な不動産会社が多く路登録されていますので、査定の際はHOME4Uをぜひ利用してみてください。
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9.まとめ
以上、マンション売却は専任か一般かどちらを選んだ方が良いのか徹底解説してきました。
売主にとっては、一般媒介の方が有利であることが基本的な原則です。
迷った場合には、一般媒介を選択することをおススメします。
特に以下のようなケースでは、一般媒介を選択すべきです。
- 早く売りたい場合
- 良い条件の物件を売る場合
一方で、以下のようなケースでは専任媒介等が前提となります。
- 付加価値サービスを利用する場合
- 買取保証を利用する場合
- つなぎ融資を利用する場合
さらに、以下のような場合は、専任媒介等を選択した方が良いケースです。
- 仲介手数料を値引きしたい場合
- 近所に知られたくない場合
専任か一般かどちらを選ぶべきかについては、自分の状況に合わせて選択するようにしましょう。
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